妻のすすめで生きてきた――闘病も介護も家族もきみがいるからうまくやれる
(著) 安部才朗
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―あげないい人はめったにおらんよ。いつも手を合わせておらんと罰が当たる―
結婚するなら躁うつ病の母への理解がある人がいいと考えていた。そして私は強さと優しさを内に秘めた一人の女性と巡り逢った。手放すべきではないと直感し、やがて私の妻となったその女性は、予想以上の強さと優しさで私たち家族を牽引し、直面する困難を切り抜ける原動力となった——サラリーマンからイベント設営業者への転身、隣に越してきたヤクザ一家との交流、母の介護、ガンとの闘病生活、地域社会や被災地への貢献など、人並以上の度胸と深い思いやりで仕事や家庭、地域の支えとなってきた妻と歩んだかけがえのない日々を綴った半生記。
[目次]
まえがき
第一章 結婚 躁うつ病の母との同居 子どもたちの誕生
第二章 甘かった独立とイベント設営業者への転身
第三章 初めてのイベント会場設営~政党まつり
第四章 隣にヤクザの親分が引っ越してきた
1 袋小路での駐車問題
2 拳銃発砲事件
3 青山台自治会長に就任
4 ヤクザチーム対保育室のお父さんチームの野球大会
5 ご近所の葬儀にヤクザの親分さん一家は大奮闘
第五章 思い出に残るイベント会場作り
1 昭和天皇陛下の大喪の礼~竹下登総理大臣の会場視察
2 昭和天皇陛下の大喪の礼~当日はみぞれの降る寒い日
3 ワールドカップ長野大会
4 長野オリンピック大会
5 長野パラリンピック大会
6 韓国でのイベント会場設営
(1)すばらしき韓国の人々
(2)清州市(チョンジュ市)のイベント責任者チョンさんとの出会い
(3)親孝行に国境はない
(4)再びの韓国~再会と別れ
第六章 母の死
母の命の記録①
母の命の記録②
第七章 隠岐の島へUターン
第八章 大腸ガン発見
1 病院の選定
2 大腸ガンの予兆はあった
3 涙の別れ
4 隠岐の島を出発
5 入 院
絶 食
下 血
第九章 大腸ガン摘出手術
三時間半の摘出手術
第十章 長引く入院生活
お腹の動きが悪い
病院の八階から一階までの非常階段を散歩
退 院
第十一章 生 還
幸せの黄色い垂れ幕
第十二章 術後の検診
肝臓に影がある
第十三章 肝臓へ転移
血管カテーテル造影検査
摘出手術か、ラジオ波焼灼療法手術か
第十四章 ラジオ波焼灼療法手術
ラジオ波焼灼療法再手術
第十五章 妻の母の死
第十六章 再発 転移性肝臓ガン摘出手術
十四時間の大手術
第十七章 息子の結婚
第十八章 息子の隠岐の島町議会議員への挑戦
第十九章 妻のすすめで上那久区長を引き受ける
第二十章 東日本大震災の被災者を隠岐の島へ
肝臓に影がある
第二十一章 妻の新刊絵本九百冊を被災地の子どもたちへ贈る
第二十二章 妻の腰椎分離すべり症手術
第二十三章 介護予防教室・那久ひまわり学級の開催
第二十四章 ガンよ、さようなら
第二十五章 親から子へ子から孫へ伝える家族の絆
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
どんな人にも分け隔てなく接し、どんな時でも笑顔を忘れない、そういう人は歴史に名を残す偉人よりも遥かに私たちにとって大切な人なのではないかと、本書を読んでいると思わされます。ままならないことも多い世の中ですが、本書から少しでも元気や勇気を得ていただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
安部 才朗(あべ としろう)
一九四七年、島根県は日本海に浮かぶ隠岐の島に生まれる。広島工業大学建築学科卒。
一九七〇年、大和ハウス工業(株)に入社。半年後に、東京ドームの屋根面膜を担当した太陽工業(株)にスカウトされ転職。十年のサラリーマン生活のあと独立し、その後イベント専門のTSP太陽(株)の専属業者となり、二十五年が過ぎる。
その間、千葉県我孫子市青山台自治会長、我孫子第三小学校PTA会長、我孫子市民生児童委員を歴任し、二〇〇一年、ホームヘルパー二級を取得。二〇〇五年、隠岐の島にUターンし、NPO法人による介護施設を家族で運営している。
著書に『絆─痴ほう症の母をささえる〝手作り家族〟─』『みっちゃんとふみちゃん─痴ほう症の母と過ごした家族介護の日々─』がある。
安部明子(あべあきこ)(旧姓・蔵本明子(くらもとあきこ))
一九五二年、徳島県は吉野川市山川町に生まれる。
一九七五年、結婚。
躁うつ病と認知症を患った夫の母の介護を二十八年続け、また同時期に脳梗塞と脳内出血で認知症を発症した実母の介護を十一年続ける。その間、子育てをしながら、ふたりの母の穏やかな心を引き出すために独特の貼り絵を考案する。
その貼り絵が第十六回上野の森美術館「日本の自然を描く展」にて入選。その後三年連続上位入選。二〇〇八年、福音館書店より絵本「かわからのおくりもの」を出版。二〇一一年、同じく絵本「ぼくのやぎ」を出版。
現在は、夫と子どもたちと一緒に、隠岐の島で介護施設を運営する。
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