大東亜戦争へ至る歴史 : 日本はどこで何を間違えたのか
(著) 斉藤剛
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―善悪ではなく、事実としての戦争から何を学ぶか―
日本人はなぜ大東亜戦争を闘うことになったのか。その誘因を探っていくと、江戸時代の尊皇思想にまで辿りつく。本書では、歴史学の要諦は過去からの教訓にあるとの立場から、日本が近代国家として国際社会に乗り出していった歴史の中にある「戦争」を振り返りながら、現代に生きる私たちが学ぶべきものを問いかける。明治維新から日清・日露戦争、そして大東亜戦争へと至る歴史の中で、思想や国家、民俗、国際社会など多様な視点で戦争の萌芽を追った日本人のための「戦争」史。
[目次]
はじめに
第一章 江戸時代における尊皇思想の系譜
第一節 幕府と朝廷の関係
第二節 儒教とその歴史
第三節 闇斎と崎門学派
第四節 兵学者・山鹿素行
第五節 国学者・本居宣長
第六節 江戸時代末期の尊皇思想
第二章 鎖国から開国へ
第一節 鎖国のはじまり
第二節 西力東漸の動き
第三節 開国への圧力
第四節 安政の大獄
第五節 公武合体
第六節 外国との戦争
第三章 明治維新
第一節 高杉晋作の決起
第二節 薩長同盟
第三節 幕府の威信低下と討幕運動の高まり
第四節 大政奉還
第五節 戊辰戦争
第六節 明治新政府の改革
第四章 征韓論論争と西南戦争
第一節 征韓論の系譜
第二節 西郷と大久保
第三節 征韓論論争
第四節 西南戦争
第五章 自由民権運動
第一節 自由民権運動のルーツ
第二節 高まる国会開設運動
第三節 自由党と立憲改進党
第四節 後退する自由民権運動
第六章 大日本帝国憲法と統治体制の整備
第一節 統治体制の整備
第二節 大日本帝国憲法
第三節 教育勅語の発布
第七章 日清・日露戦争
第一節 朝鮮の歴史と日清の対立
第二節 日清戦争
第三節 日清戦争後の国際情勢
第四節 日英同盟
第五節 日露戦争
第六節 帝国主義
第八章 韓国併合
第一節 日韓協約
第二節 一進会と韓国併合
第三節 日本による朝鮮統治
第九章 アメリカ・中国の対日感情の悪化
第一節 日本の満州経営
第二節 アメリカにおける排日気運の激化
第三節 辛亥革命
第四節 対華二一カ条の要求
第五節 第一次世界大戦とシベリア出兵
第一〇章 国際協調体制
第一節 第一次世界大戦の歴史的意味
第二節 社会主義の進展
第三節 パリ講和会議
第四節 国際連盟と永久平和論
第五節 ワシントン会議
第一一章 大正デモクラシー
第一節 最初の政党内閣
第二節 民衆政治家の登場
第三節 平民宰相・原敬
第四節 大正期「革新」派の改造運動
第五節 護憲運動と普通選挙
第一二章 金融恐慌と満州事変
第一節 中国国民党と共産党
第二節 幣原外交と田中外交
第三節 金融恐慌
第四節 満州事変
第五節 軍部の台頭と政党内閣の崩壊
第六節 北一輝と二・二六事件
第一三章 ファシズムとナチズム
第一節 イタリアのファシズム
第二節 ドイツのナチズム
第三節 ファシズムとは何か
第一四章 日中戦争
第一節 北支をめぐる日中関係
第二節 国防国家への道
第三節 西安(せいあん)事件
第四節 近衛内閣の登場
第五節 蘆溝橋事件の勃発
第六節 第二次上海事変の勃発
第七節 南京攻略
第八節 和平工作の失敗
第九節 戦争の拡大と汪兆銘政権
第一五章 大東亜戦争
第一節 アメリカの対日政策
第二節 第二次世界大戦の勃発
第三節 迷走する日本外交
第四節 日米交渉
第五節 大東亜戦争の誘因
あとがき
参考文献
著者略歴
[担当からのコメント]
かつての日本の戦争をどう見るかという問いは、非常に難しい問題を多く含んでいます。世の中には様々な「歴史観」がありますが、これからはそれらの是非に終始するのではなく、歴史の教訓をいかに未来へと繋げていくかという視点が重要になってくるのではないかと本書を読んで改めて思います。日本の近現代史を考えるうえでも示唆に富む一書、ぜひご一読ください。
[著者略歴]
斉藤 剛(さいとう・たけし)
1944年(昭和19)年、千葉県生まれ。
1969年、東京大学文学部西洋史学科卒業後、(株)学習研究社を経て、千葉県庁入庁。
主として企画部において、総合五カ年計画、幕張メッセ、かずさアカデミアパーク、交通政策、まちづくりなどを担当。2003~06年度千葉県文化振興財団理事長を務める。
現在、近現代史研究家として活動中。
著書に『世界の中の日本』(太陽堂、2009年)、『大東亜戦争へ至る歴史』(中央公論事業出版、2013年)、『大蔵大臣・水田三喜男』(中央公論事業出版、2016年)がある。
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