変化する沖縄語ーー言語学と地名からその変遷を読み解く

(著) 多和田眞一郎

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作品詳細

[商品について]
―言語学から沖縄の歴史文化の風景をみる―
沖縄の地名「国頭」の読み方は、「くんじゃん」と「くにがみ」のどちらが古いだろうか。一見すると「くんじゃん」の方が古いように思えるが、調べてみると実は古い形に近いものは「くにがみ」で、「くんじゃん」は新しく変化した形であることが分かってくる。この例を見ても分かる通り、沖縄には1970年ごろまでは新しかったものが諸々の要因で古い形に戻された言葉が存在する。その変化過程を検証する方法として、本書では主に音韻・語彙に焦点を当て、現存する文献資料として身近で馴染みのある地名を取り上げ考察していく。言語学的にも歴史学的にも示唆に富む一書。

[目次]
はじめに
第1章 共通理解を得るための予備知識
 (音声・音韻)(声門閉鎖音)(口蓋化、破擦音化)
第2章 「きやうづか」(経塚)が「ちょうじか」になるまで
 (口蓋化、破擦音化)(二重母音の変化)
第3章 「ぜりかく」(勢理客)が「じっちゃく」になるまで
 (促音化)(口蓋化、破擦音化)
第4章 短母音の変化
第5章 「そへいし」(添石)が「しいし」になるまで
 (二重母音の変化)
第6章 「ぼえも」(保栄茂)が「びん」になるまで
 (二重母音の変化)(撥音化)
第7章 分析対象資料
 主な参考文献
 索引
 おわりに。

[担当からのコメント]
言葉というのは生き物のように時代と共に変わっていきますが、そこからは時代や文化といった単に言葉が変わるというだけではない様々なものが見えてきます。沖縄の言葉を通じてそんな探究を楽しめる本書、ぜひご一読ください。

[著者紹介]
多和田 眞一郎(たわた しんいちろう)<広島大学名誉教授>

1947年 沖縄(県)生
1970年 静岡大学人文学部(人文学科)卒業
1972年 東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了、同 博士課程進学
1974年 (韓国)延世大学 Korean Language Institute 卒業
1978年 東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程退学(単位取得)
1995年 博士(学術)(広島大学)

主要著書・論文
 『沖縄語音韻の歴史的研究』(2010年、渓水社)、『沖縄語漢字資料の研究』(1998年、渓水社)、『外国資料を中心とする沖縄語の音声・音韻に関する歴史的研究』(1997年、武蔵野書院)、『「琉球・呂宋漂海録」の研究―二百年前の琉球・呂宋の民俗言語-』(1994年、武蔵野書院)
 「日本語とハングル資料―沖縄語史とハングル資料-」(『日本文化學報』第37号)(2008年)、「文法Ⅰ(語)」(『講座・日本語教育学 第6巻 言語の体系と構造』)(2006年)、「言葉の取替え そして 言語の変化(沖縄語を例として)」(『日語日文学』第25輯)(2005年)、「沖縄語音韻史―口蓋化・破擦音化を中心として-」(『音声研究』第8巻第2号)(2004年)

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