囲碁が象る「西遊記」──不立文字の世界をゲームと数学で読み解く

(著) 永松憲一

Amazon

作品詳細

[商品について]
―囲碁は物語を内包しながら『西遊記』を意味論の世界へと導く―
7世紀の中頃に遥かインドまで仏教の教義を求めた三蔵法師玄奘、その旅を題材にした『西遊記』は、お馴染みの孫悟空や沙悟浄、猪八戎らが活躍する伝奇物語として知られている。しかし全100話のこの物語を注意深く読むと、三蔵法師一行の存在や関係性など至る所に囲碁を思わせるような記述があることに気づくーー前著『日本将棋と西遊記』に続き、盤・石・ルールという囲碁の構造が物語のなかで不思議なほどに象られ類似するその謎を、仏教や易をはじめとする東洋思想を背景に数学の力も借りながら解き明かした、囲碁が誘う構造論的『西遊記』への旅。

[目次]
はじめに
第1章 孫悟空の誕生(第1~7話まで)
第2章 三蔵法師の旅立ち(第8~13話)
第3章 取経チームの形成(第14~22話)
第4章 旅立ち(第23~31話)
第5章 チームの再建(第32~43話)
第6章 迷走そして中間目標への到着(第44~61話)
第7章 概観すれば
第8章 団結・古希の道へ(第62~71話)
第9章 八戒の浄(第72~79話)
第10章 子と系の再会(第80~83話)
第11章 易の構造(第84~92話)
第12章 悟空の講教(第93~97話)
第13章 大団円(第98~100話)
第14章 共時的な世界
著者略歴

[担当からのコメント]
演劇や映画、ドラマ、漫画など様々な形で語られる西遊記は、今も私たちにとっては身近な物語です。本書では、そんな物語をその構造から機能、意味論までまるでソフトウェアを解析するかのように明らかにしていきます。西遊記という物語、そして囲碁というゲーム、それらが重なり合って表裏をなすとき、そこにはどんな世界が現れるでしょうか。ぜひご一読ください。

[著者略歴]
永松 憲一(ながまつ・けんいち)

1943年生まれ 81歳
情報論を基礎にゲームの構造に関心を持ち研究。西遊記が良く似た数理を持つことに気付き、西遊記を読み込み人の意識を反映した物語として構造的な分析を試みる。

著書
「麻雀の原理を探る」2001年 星雲社
「囲碁はなぜ交点に石を置くのか―囲碁学への招待」2002年 新風舎
「将棋の駒はなぜ五角形なのか―西遊記で解く将棋の謎」2003年 新風舎
「囲碁・将棋・麻雀と西遊記が語る意識の構造」2018年 東洋出版

新刊情報