原子力と日本病【電子書籍版】

(著) 村田光平

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作品詳細

「わが国が直面する問題は、低迷を続ける経済、深刻の度を深める失業問題、広がる社会的荒廃など山積しておりますが、本書はこれらよりも計り知れない大きな影響を国民に対し及ぼしかねない「原子力」の問題を中心に取り上げました。
原子力について最低限の知識を持てば、だれでも心の奥底では、危険な原子力関係施設はない方がよいと考えることでしょう。いくら平和利用と称して活用されていても、その根源に原爆の「悪魔性」が存在することは否めないのです。しかしわが国には、そのような意見を口にすれば自らに不利益を招くと思わせる風潮があるために、脱原発を求める声が国民レベルで幅広く盛り上がらないのです。
私はこのような状況を、責任感、正義感、および倫理観の「三カン欠如」に起因する日本病と称しています。この「三カン欠如」は世界的な規模で見られ、「世界病」ともいえますが、日本がこの病を特に強く患っています。それは、世界で唯一の原爆被害国でありながら、原子力発電を世界で最も熱心に進めていることに端的に示されています。」(本書「はじめに」より)

本書(2002年発刊)は原発震災の発生を九年前に的確に予見しているとして3年前に石橋湛山賞の候補に推薦されました。また、本電子書籍の第2部として2006年に刊行された「歴史の危機の入り口に立つ日本」(中西輝政氏らと共著)の第三章「新しい文明を求めて—人間性復興を目指す文化の逆襲」を加えました。

【著者プロフィール】
村田 光平(むらた・みつへい)
1938年 東京生まれ。
1961年 東京大学法学部卒業後、2年間外務省研修生としてフランスに留学。
その後、分析課長、中近東第一課長、宮内庁御用掛、在仏公使、国連審議官、在セネガル大使、衆講院渉外部長など歴任。

1996年より1999年11月まで在スイス大使を努める。1996年10月よりリヒテンシュタイン大使(初代)を兼任。
1999年11月より東海学園大学教授(比較文明論)。
2000年より2年間京セラ株式会社顧問、 稲盛財団評議員。

現在は日本ナショナルトラスト顧問、日本ビジネスインテりジェンス顧問、日中酒道協会顧問、東海学園大学名誉教授、天津科技大学名誉教授、アルベール・シュバイ
ツァー国際大学名誉教授。

環境問題の中心的課題はエネルギー問題であるとの認識に立ち、1989年より3年間セネガルに在勤中、太隔エネルギーの導入を実現。
唯一の被爆国・日本を、核エネルギーの軍事利用犠牲国のみならず民事利用犠牲国になってしまった経験を踏まえ、民事、軍事を問わない核廃絶及び経済中心の文明か
ら、環境と未来の世代の利益の尊重する精神中心の文明への転換を訴え続けている。

また、想像を超える福島の苦しみを忘れさせようとする不道徳・無責任な東京五輪を返上し福島事故の終息に全力投球することを求め続けている。

主要著書:
2000年「新しい文明の提唱一未来の世代へ捧げる一」(文芸社)
2002年「原子力と日本病」(朝日新聞社)
2006年「現代文明を問う」(日本語・中国語の小冊子)

公式HP:http://kurionet.web.fc2.com/murata.html
メールアドレス:mm.murata@jcom.zaq.ne.jp

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