医師はポプラの郷(さと)で夢を見る──日中共同研究と遥かなる西域の日々

(著) 小沢友紀雄

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作品詳細

[商品について]
―そのシルクロードの風景には、歴史と医学のロマンがある―
1984年に研修生が訪日したことをきっかけに始まった新疆医科大学との交流は、やがて「自然長寿をめぐる諸因子と医療」の日中共同研究へと発展した。三十有余年にわたるその交流は、新疆ウイグル自治区の人々との数えきれないほどの素敵な出会いを著者にもたらした。かつて世界四大長寿郷の一つといわれたホータン、砂嵐のために車で縦断することになったタクラマカン砂漠、その広大な大地にはまるで遠い親戚が住んでいるような懐かしさを感じる風景があり、人々の優しさと思いやりがあったーー中国の発展に寄与した外国の科学者に贈られる「天山賞」に医学部門で初めて選ばれた医師が綴った、貴重な日中医学交流記。

[目次]
巻頭写真
はじめに タイムスリップ
序章 遥かなる新疆ウイグル自治区の人々 ── 悠久の時空を超えて
第一章 心の原風景
/ 父母の思い出
/ 大きな壁をチャンスに
/ キャリアを積んで
/ 千代子との出会い
/ 米国ノースカロライナ大学研究員として
/ 新たな挑戦
第二章 新疆医科大学との交流
/ 交流の始まり
/ 人材育成の夢とロマン
/ クレイグ教授の教えと聴診器
/ 新疆医科大学の二人の教授
/ 河岸に立ちて
第三章 長寿郷といわれたホータン
/ かっての世界四大長寿郷の一つ
/ ホータンには本当に長寿が多いのか
/ 砂嵐と最新検査機器
/ 長寿者の検査は安全か
/ 元気でボケのない長寿者の特徴
/ 百寿者の家をすべて訪問
/ 科学的態度
/ 優しい衛生院の院長先生
/ 100歳を超えての結婚式
/ 子供たちの協力
/ 長寿の家への水路を辿る
第四章 大平原カザフの里パリクン
/ カザフの里パリクン
/ 暮れた大平原に胡弓の音
/ ある尾白鷲の話
/ パリクンの演芸会と競技会
/ パリクンのバザール
/ パオに住む長寿者の幸せ
/ 清真食堂
第五章 オアシスのほとりにて
/ ドンキータクシーでホータンのバザールへ
/ ポラロイドカメラと覆面の女性
/ 玉(ぎょく)と、トンボと呼ばれた商売人
/ ポカクのある娘は嫁に貰ってよい
/ ホータン地区人民病院での症例検討会
/ 新疆の画家の話
/ アトラスの制服でお喋りに夢中な女子高生
/ オスマン
/ はだしの校長先生
/ ホータンの長寿の大木の前で手をつないで
/ ケリアの世界一小さな帽子
/ 水力製粉所
第六章 行程数万キロ
/ タクラマカン砂漠縦断道路
/ トイレの話
/ 香妃の香りは砂なつめの花か
/ カナス湖のカナシー
/ 天山北路500キロを走って千代子が入院
/ 新疆ウイグル自治区での食事
/ 新疆医科大学公園が隕石や化石公園に化けた
/ 第二のタクラマカン縦断道路
/ 乾河道
/ ケリアのローズ祭り
/ コーランを読む百寿者
第七章 日本での交流
/ 程先生の代行で学会報告
/ 金閣寺と竜安寺
/ ウイグル医学校のトルフォン学長と「都をどり」
/ 京都のお化け屋敷
/ 汪師貞教授と千代子
/ 総長と書記・校長との交流
/ 新疆医科大学の人々と一緒に
/ 日本の山村の公民館で程先生の講演
第八章 交流アラカルト
/ 写真アラカルト(タイムスリップへのチケット)
第九章 新疆ウイグル自治区の医療
/ 中国新疆ウイグル自治区の医療
/ ウイグルの秘薬
/ ウイグル医学に関して
/ カザフ医学に関して
/ 中医(漢方医学)に関して
/ 新疆ウイグル自治区の医療の展開
/ 臨床医学と基礎医学
/ 新疆ウイグル自治区での遠隔医療
/ 中国医学会の素晴らしい先生方との交流
第十章 ポプラ並木のレナ
/ 新疆医科大学のレナ教授
/ パチクリとの出会い
/ ジュリアの変身
/ アイシャムの微笑
/ ポプラ並木のレナ
終章 帰っておいでという声が……。
おわりに
新疆医科大学との国際共同研究成績の要点
参考資料(発表論文など)
共同研究での思いやり
1 新疆医科大学との共同研究の中での「思いやり」
/ 新疆医科大学との交流の流れ
/ 留学と共同研究で我々が特に努力したこと
/ 留学生に対しての配慮。
2 日中国際共同研究への発展と配慮
著者略歴

[担当からのコメント]
中国西域というと、私たちにとっては近くて遠い国という印象を持つ方も多いのではないでしょうか。しかし本書でも随所で語られているように、そこには日本人の郷愁を掻き立てる不思議な魅力があります。ぜひ本書を通じて、そんな中国西域の歴史と文化を感じていただければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
小沢友紀雄(おざわ ゆきお)

〈経歴〉
1962年日本大学医学部卒業
国立東京第二病院(現・国立病院東京医療センター)研修を経て日本大学医学部第二内科入局
日本大学板橋病院循環機能室長・同病院CCU運営委員長
米国ノースカロライナ大学(チャペルヒル校)心臓内科研究員(1980~1982)
日本大学助教授を経て日本大学教授
日本大学板橋病院内科Ⅱ部長兼循環器科長
1984年より、中国新疆医科大学との交流を開始し、多数の留学生を育成。
以後日中共同研究を開始・継続。
2001年日本大学医学部を退職し、日本大学総合科学研究所教授・医学部客員教授、学校法人明星学園理事長・MJG心血管研究所所長などをつとめる。
この間、日中共同研究および新疆医科大学との交流を継続。
〈現在の主な資格・活動〉
医学博士、
日本循環器学会専門医、日本心臓学会特別正会員、日本心電学会特別会員、日本不整脈学会特別正会員など
中国新疆医科大学客座教授
米国心臓病学士院院士(FACC)
ニューヨーク科学アカデミー会員
〈著書〉
「症例から学ぶ心臓病学」、「体表心臓微小電位とその臨床」、「不整脈と心臓病」、「ここが知りたい狭心症・心筋梗塞」「心電図トレーニング」、「不整脈トレーニング」、「イベント心電図」、「携帯型伝送心電図」、「心電図免許皆伝」、「医師の見たシルクロード」など多数

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