劇作家、山へーー山に恋した田中澄江と北海道の山々
(著) 滝本幸夫
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―私はまっすぐに登る山が好きです。どんなに苦しくとも―
劇作家にして作家、シナリオライターであり、その著書『花の百名山』で多くの女性ハイカーを全国の山々へと駆り立てた登山家の顔も持つ田中澄江。本書はそんな彼女と北海道の山を通じて知り合い、その晩年の30年あまりの濃密な時間を共に過ごした著者が綴る、登山家・田中澄江へのメモリアル・ジャーニーである。NHKの連ドラの原稿をホテルで缶詰になりながら書き上げ、フラフラになりながら山登りに駆けつける彼女。キリシタン殉教の山である憧れの大千軒岳に登り、建てられている碑文を満足そうにメモする彼女。本書の中には、田中澄江という知性とバイタリティに溢れたひとりの女性の姿がある。山に恋した田中澄江の、晩年の貴重な北海道山行記。
[目次]
はじめに
第1章
最初の手紙
会心のプランの中で
小樽・丸山
本格的に北の山へ
アポイ岳
今西錦司さんのこと
余市岳
一週間の山旅
目国内岳
樽前山
夕張岳
礼文岳、利尻山
第2章
待望の大千軒岳
トラピスト修道院にて
再び一週間の山旅
雌阿寒岳
羅臼岳
空沼岳
坂本直行さんと
さらに北の山へ
暑寒別岳
手稲山
第3章
北大雪の山
小樽・赤岩山、オロフレ山
室蘭岳
徳舜瞥山
函館山と最後のハガキ
清瀬の病院へ
数々の言葉
告別式
第4章
田中聖夫さんとの交流
今なぜ田中澄江なのか
あとがき
◇田中澄江 略年譜
著者略歴
[担当からのコメント]
映像化もされた『花の百名山』の名前は、山や花、自然が好きな人であれば一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。深田久弥とは別の意味で女性らしいロマンに溢れる同書を書いた作家・田中澄江は、本書の中で今も目を輝かせて山を登り続けています。そんな彼女との素敵な山行の時間を、どうぞごゆっくりお楽しみください。
[著者略歴]
滝本 幸夫(たきもと ゆきお)
一九三六年 十月(昭和 十一年)北海道岩見沢市に生まれる。
一九五九年 四月(昭和三十四年)専修大学商経学部経済学科を経て公務員生活に入る。
一九六〇年十二月(昭和三十五年)帯広エーデルワイス山岳会設立。東大雪を始め道内外の山々に親しむ。
一九六五年 九月(昭和 四十年)深田久弥氏の紹介で日本山岳会入会(会員番号五九九三)
一九六七年 四月(昭和四十二年)戦後、道内社会人山岳会として初めて中華民国玉山に遠征。この間、深田久弥氏、坂本直行氏、田中澄江氏の知遇を得る。
二〇〇九年 四月(平成 二十年)日本山岳会北海道支部長就任。以後五年間務める。
日本山岳会会員、深田久弥を愛する会会員(石川県加賀市)
著書 「北の山―北海道五五座の記録と案内」(一九七二年・山と溪谷社)
「北の山の栄光と悲劇」(一九八二年・岳書房)
「北の山・記録と案内」(一九八三年・岳書房)
坂本直行小伝「日高の風」(二〇〇六年・中札内美術村)
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