再読・水俣病――悲劇を教訓として活かすための小史

(著) 二塚信

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作品詳細

[商品について]
―その新聞記事から、水俣病の歴史は始まった―
工場から排水されたメチル水銀が人体に引き起こした中毒性疾患であり、公害の原点ともいわれる「水俣病」。しかし、その原因や具体的な対応が下されるまでには、行政や医学界、企業、そしてそれを取り巻く社会の動きが複雑に絡み合っていた。ーー本書では、のちに水俣病と認定される症状が初めて報告された第一報から、「水俣病の原因は日本窒素肥料株式会社にある」と国が公に認めるまでの10年以上に及ぶ道のりが、当時の新聞記事や報道を通して克明にあぶり出されている。長年その研究に従事し、水俣病に関する資料のなかでも最も精密で包括的な年表との呼び声高い「水俣病年表」を作成した経歴を持つ著者がまとめた本書は、水俣病の歴史を辿るのに欠かせない一書となっている。

[目次]
はじめに
水俣病前史
水俣病の予兆
水俣病公式確認
原因物質の究明と対策の模索
法的規制ならず
原因物質に有機水銀浮上
昭和三四年秋 状況緊迫
熊本大学研究班に解散命令
事態の鎮静化 強まる有機水銀説攻撃
高度経済成長の陰に水俣病
胎児性水俣病の確認
熊本大学、ついに工場スラッジよりメチル水銀化合物検出
新潟水俣病の発生
水俣病対策市民会議の結成
工場の細川実験表面化
政府見解、水俣病の原因は工場のメチル水銀と断定
おわりに
著者プロフィール

[担当からのコメント]
誰もが一度は聞いたことのある「水俣病」という公害ですが、それが当時どのように報道され、行政や企業がどのように対応したのかを知っている人は少ないのではないかと思います。地球温暖化の対策が叫ばれる今だからこそ、公害の原点とも言われる水俣病に関して、現地調査や報道を引用しながら正しく学べる本書をお読みいただければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
二塚 信(ふたつか まこと)

1939年 熊本市で出生
1964年 熊本大学医学部卒業
1969年 熊本大学大学院修了 水俣病の研究に従事
1969年 熊本大学助手(公衆衛生学)
1987年 熊本大学教授(公衆衛生学)
2005年 九州看護福祉大学学長
2014年 熊本機能病院顧問
2015年 NPO法人熊本高齢社会活性化研究センター所長

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