全面ラストで陽は落ちて:春まだ青き同じ季節をひた酔ひぬ(上巻)
(著) 松尾政信
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[商品について]
―その日、その時でなければ得ることのできない、かけがえのない日々―
大学紛争に社会が揺れるなか、父が提示した条件をクリアして晴れて熊本大学に進学した「私」は、入学初日に大学紛争の洗礼を受けながらも憧れの大学生活を開始する。剛毅朴訥になりたいと寮歌同好会に入ったものの一度の集まりもないまま自然消滅し、下宿の新入り歓迎コンパで先輩との酒飲み勝負に負けて夢にも思わなかった硬式庭球部に入部する羽目に。しかしそれは、良き仲間に恵まれて過ごす青春の日々の始まりだった――。
世間の動向や変化に微妙に揺さぶられ、ときに回り道をしながらも前へ進もうとした地方の青年の「春まだ青き季節」を書き綴った自伝的青春記、上巻。
[目次]
(一)生命の調べ颯爽と生きとし生けるものは皆 若き力に燃ゆる哉
一、カツ丼に初恋
二、進学を許してもらえなかったころ
三、熊本大学に決めた理由
四、数学不安
五、熊本へ出陣する
六、サクラは咲いたか
七、憧れのバンカラ生活へ
八、下宿を決める
(二)感激深き若き日の誇りを永遠に忘れじな
一、熊本大学の学生になる
二、剛毅朴訥な人間になりたい
三、酒神に導かれテニス部へ
四、インチキ勝負露見する
五、春歌の洗礼を受ける
六、級友再会
七、機動隊学内に入る
八、壮絶なる新人歓迎コンパ
九、これが急性アルコール中毒か
(三)遠きふるさと懐かしみ青き哀傷を恋ふるとき
一、部屋を替わる
二、九州インカレ
三、フランシーヌの場合は
四、部誌「Ace」の編集員となる
五、寅さんに会いに行こう
六、大地と湧水と月世界
七、講義は始まったけれど
八、ホームシックになる
(四)あえかに若き美酒にわななき踊る魂の鳥
一、二度目の春のころ
二、若き哲学徒の悩み
三、家庭教師となる
四、仏法僧の夏
五、ダンプの助手になる
六、麻雀と失恋の季節
七、迷想の小径
八、急変した岩尾前キャプテン
九、ビートルズ&ダンパでサヨウナラ
十、伝統の初戦敗退芸術鑑賞
[出版社からのコメント]
「青春」とはいつまでをいうのかは人によって異なりますが、みずみずしい感性で悩み迷いながら前に進む日々は、「青春」を感じることができる時間といって良いかもしれません。本書の中にある青春の時間からはずいぶんと時が経ちましたが、現代では味わうことのできない濃密な日々を、あるいは懐かしく、あるいは新鮮な気持ちで楽しんでいただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
松尾政信(まつお・まさのぶ)1950年 佐賀県武雄市若木町生まれ
1969年 武雄高校卒業
1973年 熊本大学法文学部哲学科卒業
1977年 コピーライターとして(株)西広入社 長崎支社配属
1992年 本社へ転勤 クリエイティブディレクター クリエイティブ局次長 営業局長 取締役総務局長を経て
2009年 同社代表取締役社長就任
2010年 九州広告業協会会長就任
2013年 (株)西広社長退任
2014年 佐賀テレビグループ(株)STSエンタープライズ代表取締役社長就任
2020年 (株)エンターアイ(旧STSエンタープライズ)社長退任
現在 同社取締役相談役
著書 『川へ~過ぎし日の水辺の情景と魚たち~』(2014年)
『川古庄屋日記・諸控帳を読む』(2017年)
『川古庄屋日記・諸控帳を読む改訂増補版「樹齢百三十年若木の根底」』(2019年)
編集・解説 『写真や資料でたどる若木の歴史「明治・大正・昭和のふるさと」』(2019年)
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