余聞・巷説・浮き世のはなしーー現代小耳袋

(著) 笹川貴敬

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作品詳細

[商品について]
―人は世につれ、噂も世につれ―
バブル最盛期の頃に出稼ぎで来日した「ジャパゆきさん」の、或るキャバレー社員寮で起きたちょっと異様で滑稽で少し悲しい話。家族から厄介者扱いされ首吊り自殺を図ろうとした人を助けた通行人が、却って家族から迷惑がられたという話。年齢も生い立ちも不詳ながら辺り一帯の男性路上生活者を仕切る情報通で、「百円オバサン」と呼ばれた女性の話。運悪く指先を毒ヘビに咬まれてしまった主婦が、きつめの指輪を嵌めていたために毒のまわりが遅くなり一命を取り留めた話ーー浮き世を生きる人間たちの、小耳に挟んだ様々な姿をまとめ綴った現代噂話集。

[目次]
第1章 ジャパゆきさんの小話
第2章 公衆浴場での小話
第1話 視線の遣りどころに困惑してしまった小話
第2話 銭湯で体調を崩してしまった中年女性の小話
第3章 あるホテルでの出来事の小話
第1話 役得で迷わず天国に導かれた人の話
第2話 意気投合した男女の小話
第3話 置きざりにされた女性の噂��話
第4章 仮死世の世界から舞い戻って来た人の小話
第1話 縊死(いし)を試みた人の話
第2話 難病を患い、自然死という死を迎えようとした人の話
第5章 悪徳商法に加担してしまった主婦のアルバイトの話
第6章 無銭飲食と食い逃げを犯してしまった人の話
第7章 玄関前に佇む人の話
第1話 荷物を携えて佇む男性の話
第2話 狡賢い中年男性の話
第8章 行路人(行旅人)という無宿人と生活保護を受ける人の話
第1話 「百円オバサン」と親しみを込めて呼ばれていた女性の小話
第2話 数日で舞い戻って来た無宿人の小話
第3話 生活保護に頼らない無宿人の話
第4話 橋の下で生活している人も食さない魚の住む川の話
第9章 あることを信仰してしまった人々の話
第1話 信仰が高じて祈禱師となってしまった人たちの話
第2話 お告げが降臨して来た家族の話
第10章 患者を選別する病院と患者が病院を選ぶという小話
第11章 四年に一度の大会にある種目で出場したことのある人の話
第12章 老婆と喉の小話
第1話 焼いたパンと老婆の話
第2話 老婆と菓子パンの話
第13章 お産の話
第1話 トイレでお産の話
第2話 お産の裏話
第14章 指輪の話
第1話 指輪が命を救ったと思われる話
第2話 痛みに耐えかねて、ある所に駆け込んだ話
第15章 現在でもいた侍の話
第16章 虱(しらみ)と蟻の話
第1話 虱を運んでしまった話
第2話 蟻が集まって来た話
第17章 若い女性の話
第1話 ターミナル駅まで我慢して辿り着く女性の話
第2話 河川に飛び込んだ女性の話
第18章 闇夜に提灯の話
第1話 闇夜に提灯
第2話 鉢合わせ
第19章 気管切開手術に立ち会った話
第20章 パチンコ遊戯中に卒倒した人の話
第21章 院内薬局時代の話
第22章 ある病院に別の病院の医師を依頼した話
第23章 余談と噂��話
第1話 立ち消えになった話
第2話 都道府県の境界線上で発生した交通事故の話
第3話 路上に飛び出したお犬様の話
第4話 豹変した図々しい人の話
第5話 その筋の親分と子分の話
第6話 超重量級選手の話
第7話 バイクがクルマにオカマを掘ったという怖い話
第8話 噂��話として聞こえて来たこと
その1 清潔にすると風邪小僧が忍び寄るという話
その2 ○○という薬の話
その3 招かざる常連客の話
その4 小型犬が飛び出して来て一目散に駆けて行方を晦ましたという話
あとがき
著者略歴

[担当からのコメント]
噂話が語られるのは世の常ですが、ことの真偽はともかく、そこにはそれぞれの時代の貌が見え隠れしていて面白いものです。本書にもそんな噂話の数々が収められています。気楽に気軽に、日常のちょっとした生き抜きとしてお楽しみいただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
笹川貴敬(ささがわたかゆき)

1947年11月15日 新潟県妙高市(旧原通村)生まれ
神奈川県厚木市在住
著書『産土物語Ⅰ』(市民かわら版社)
『仄聞と独白』(市民かわら版社)
『備忘録』(市民かわら版社)
『産土物語Ⅱ』(市民かわら版社)

イラスト・写真/PIXTA

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