仏教と歴史に関する19の断想

(著) 中島晃

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[商品について]

―「民衆から三悪道(地獄・餓鬼・畜生)から解放することが仏となるために実現しなければならない誓い」と法蔵菩薩は四十八願の第一願で掲げています。ではこの掲げている浄土三部経の一つである経典はなんでしょうか-

1.無量寿経  2.阿弥陀経  3.法華経

正解は、本書Ⅰ部5「法蔵菩薩の第一願によせてーー福島原発事故と薬害イレッサに思う」をご覧ください。

本作は、歴史上に起きた出来事に対して、仏教の教えを鑑みる1冊です。まだ記憶に新しい「福島第一原発事故」を初め、第二次世界大戦、古くは江戸時代に起きた飢饉など、歴史を読み解きながら、その事案にたいする仏教の救いや教えを著者が分かりやすく説明しています。また、第Ⅲ部からは、有名な著書にあてはまる仏教の考えや、国や人の在り方についても仏教の考えが語られてます。仏教の教えと共に歴史も読むことができる1冊です。



[目次]

専修念佛の御同行として

はじめに

Ⅰ部 仏教 法然の仏教思想に学ぶ

1 「一枚起請文(いちまいきしょうもん)」のことなど

2「一紙小消息(いっしこしょうそく)」を読む

3 「四誓偈(しせいげ)」を読む ――「普済諸貧苦(ふさいしょびんぐ)」の悲願

4 「一枚起請文」再論 ――加藤周一『日本文学史序説』を読む

5 法蔵菩薩の第一願によせて ――福島原発事故と薬害イレッサに思う

6 非戦の思想を受けつぐ人々 ――反戦僧侶・竹中彰元(しょうげん)のことなど

Ⅱ部 歴史 『大森町郷土史』を読む

1 「宝暦の板井田事件」 ――近世農民の抵抗の歴史に学ぶ

2 飢饉と「飯米供養塔」 ――『大森町郷土史』を読む

3 「飯米供養塔」について(再論) ――文化の多様性を考える

4 飢饉と人身売買 ――『大森町郷土史』を読む(補遺)

Ⅲ部 日本の近現代の歴史をふりかえる

1 「樺戸(かばと)集治監」のことなど ――吉村昭『赤い人』を読んで

2 「花岡事件」のこと ――水上勉『釈迦内柩唄(しゃかないひつぎうた)』を読んで

3 村田喜代子『ゆうじょこう』を読む

4 後藤正治『清冽 詩人茨木のり子の肖像』を読む

5 奥田英朗『オリンピックの身代金』を読む

6 乙川優三郎『脊梁山脈』を読む ――日本社会のあり様を問いかける

7 梨木香歩『海うそ』を読む ――廃仏毀釈のもたらしたもの

Ⅳ部 鼎談 「あれもこれもいい」でいいのか? 多様性を尊重し、不正義を批判する力となる仏教

■価値相対主義とその課題

■寛容と民主主義

■「同じ人間」としての普遍性

■「力及ばす」、でも菩薩道を歩んでいく

■自分たちで自然を守る

■寛容の問題

■人間は「恥ずかしい存在」という認識

■伏流化しながらも続く非戦への願い

■国家主義を超える

Ⅴ部 父さんへの詫び状

おわりに



[出版社からのコメント]

無宗教層が多いことで知られている日本人ですが、法事など説教を聞く機会があれば、その内容に聞き入り、心が安らぐ方もいるのではないでしょうか。ですが、現状このような機会がないかぎり、あまり仏教の内容を学べることが少ないのも事実です。本書のように歴史上の出来事に対して、また国や人の在り方について、説法を読めることは、大変貴重なことだと思います。本書を読んでいただき、少しでも仏教の教えが読者皆様の心の安らぎになれれば幸いです。



[著者プロフィール]

中島 晃(なかじま・あきら)

1943年生まれ。1967年東北大学法学部卒業。1969年弁護士登録。1984年に市民共同法律事務所を開設。薬害ヤコブ病大津訴訟弁護団、薬害イレッサ西日本弁護団、石原産業フェロシルト事件弁護団などの団長をつとめる。全国公害弁護団連絡会議代表、京都・まちづくり市民会議事務局代表、薬害対策弁護士連絡会代表などを歴任。著書に『住民運動勝利の時代』、『景観保護の法的戦略』(いずれも、かもがわ出版)などがある。

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