今よりも、ほんの少しのやさしさを:いのちには、こんなにも「詩(ことば)」がある
(著) けん三
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―命が生みだす45の「詩(ことば)」―
医者も医療も本来、完璧ではない。患者さんが治るか治らないか、助かるか助からないかを、医者がコントロールできるはずもない。病気がよくなるのは、あくまで患者さん本人の力であって、医者にできるのは、その手伝いをすることにすぎない。だからこそ医者は百パーセント本気で患者に向き合わなければならないし、その人の人生に対して百パーセントを尽くせたかどうかを、自分自身に常に問いかけていかなければならない――。本書は、長年、過疎地を始めとする地域医療に携わり、地域の医療現場への貢献を認められて「赤ひげ大賞」を受賞した著者が、生身の患者さんの姿、心の触れ合いを通じて紡ぎ出された45の「詩(ことば)」を、言霊として書に表現して収めた作品です。心の痛みや苦しみを癒し、明日へと進むための力を与える魂の処方箋として、多くの方にお勧めしたい内容となっています。
[目次]
はじめに だめな人間だからこそ、全力で生きていける
第1章 完ぺきになんか、ならなくていい
欠点のある不完全な人間でいい
自分を偽るのはやめて、本音で生きる
身の丈以上の無理はしない
根っからの悪人はいない
みんな大事な一人
百パーセントを目標にしない
名誉よりも、人のため
悪いところもあれば、いいところもある
第2章 生きるということ
生きている、それだけでいい
身の丈に合った生き方
過ぎてきたすべての時間が本物の時間
これまでにもらってきたものを、返しながら生きていく
心の豊かさは表情にあらわれる
すべては今のためにあったこと
苦労に感謝
今を生ききる覚悟
すべてを神仏にお任せする
「今、ここ」を笑顔で生きる
第3章 誰かに尽くして生きる
一日の終わりに反省をする
お金で買えないもの
愚痴(ぐち)はやめて感謝する
まず自分が人に優しくなる
人間関係は「顔がけ」からはじまる
来るものは拒まず、去るものは追わず
辛いときこそ、他人を思いやる
心で出会う
辛さのなかにも喜びがある
自分を褒める
第4章 悲しいときこそ、誰かと語り合う
悲しみを人に見せる勇気
人生が深まるとき
身の丈にあった生き方をする
この世でたった一人の尊い存在
当たり前に当たり前をする
心の荷物を減らす
寒さに負けない熱い心を持つ
命はひとつだけ
第5章 苦労の果てに、幸せはやってくる
心にも花の種を植えましょう
嫌なことから学ぶ
すべては時間が治してくれる
苦悩を生きる力に変える
どんなことにも、必ず終わりがある
求めれば、必ず答えに気づく
老いては、狭く深く
涙の下地をつくる
生きる意味、死ぬ意味
おわりに いっしょに、ひたむきに、今を生きましょう
著者略歴
[出版社からのコメント]
私たちは、日々生きる中で様々な言葉に囲まれています。その中には心に響くものもあれば、人の心を荒ませるものもありますが、最も不思議な現象である命と向き合う中から生まれる言葉ほど、私たちの心を打ちぬくものはないかも知れません。本書には、そうした言葉が、力の限りすべてを受け止めようとする心優しい手によって、「詩(ことば)」という形に留められ収められています。困難なこの時代にこそ、ぜひ多くの方に本書の言葉を味読していただければ嬉しく思います。
【著者プロフィール】
けん三(さん)(下田憲/しもだ・けん)
1947年、埼玉県生まれ。長崎県佐世保市で育つ。高校卒業後、約10か月間、西日本を放浪。翌年、北海道大学医学部に入学。大学紛争期を経て、74年卒業。4年間の研修の後、78年から5年間、長崎県平戸に近い離島の公立病院に勤務して病院の再興を果たし、83年、北海道の過疎地の公的病院へ。さらに96年、無医地区になった南富良野町幾寅(映画『鉄道員』の舞台)の町立診療所へ。この間、東洋医学と心療内科を双軸とする独自の診療形態を確立する一方、98年頃から墨書で癒しの言霊をしたためはじめ、2000年、その常設展示館「けん三のことば館」開設。04年、「ことば館」をそのまま「けん三のことば館クリニック」に改修して独立。現在まで自称〝山医者〟を続けている。14年、これまでの地域医療へのユニークな取り組みが評価され、日本医師会「赤ひげ大賞」を受賞。
著書に、『病があるから素敵な人生』(幻冬舎)、『生きろや生きろ』(新日本出版社)などがある。
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