人丸・猿丸・黒主
(著) 岩谷征捷
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[商品について]
―歴史の光と闇の狭間に漂泊する、その姿を追って―
万葉集を代表する歌人であり歌聖として称えられながら正史書には全くその姿を見出せない柿本人麻呂の姿に、歌を眺め所縁の場所をめぐり各地の縁起や伝説を渉猟ながら思いを馳せる「人麻呂から人丸へ」、元慶年間の人ともいわれ隠遁者のおもかげをもって語られる伝不詳の謎の歌人、猿丸大夫とは誰なのかを探究した「猿丸大夫の影」など、文学とモノガタリの中にある見えざる糸を手繰りながら豊饒な古典世界を逍遥する、別著『ゆきあひ』にもつながる偏在する歴史への旅を収めた魅惑の論考集。
[目次]
初瀬詣での道(序に代えて)
人麻呂から人丸へ
猿丸大夫の影
黒主とはたれか
あとがき
[出版社からのコメント]
文学と歴史や伝説が近しい時代にあった古典文学は、現代の私たちには成しえない豊かな精神世界をその中に宿しているのではないかと思うことがありますが、本書の中には或る意味では幻像ともいえる古典世界の情景が鮮やかに映し出されています。歌学や伝承、古典の境界を浮遊する観念の旅のひと時を、ぜひお楽しみください。
【著者紹介】
岩谷征捷(いわや・せいしょう)
小説、評論、随筆
(株)22世紀アートの本として『父と兄の時間-戦後小説を読み解く』(電子書籍)『ゆきあひ』『祈りのように』『残景』(岩谷征捷の文学世界3部作、POD出版)がある
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