事業承継羅針盤 : 経営のバトンタッチ程難しいものはない : 豊富な取材に基づく事例の紹介

(著) 田中経広

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作品詳細

[商品について]
―「立つ鳥跡を濁さず」事業承継をするには―
現代の中小企業の事業承継を見ると、後継者の不在や相続・経営方針の対立など様々な問題に悩まされる企業がある一方で、同族内で後継者問題を解決しながら業歴を積み重ねていく企業もある。いったい両者の差はどこにあり、そしてスムーズに事業承継を進め企業を存続させていくためには何が必要なのだろうか。そうした視点のもと、本書では長年都市銀行で取引先企業のM&Aや事業承継等の業務に携わってきた著者が、株価対策や株式譲渡といった対策よりも前に、先ず経営者が率先して取り組むべきことを実際の事業承継の事例を挙げながら分かりやすく解説する。事業承継の形態からパターン別の事例研究、中小企業特有の問題や弊害まで、そろそろ事業承継をと考える全ての中小企業経営者にお届けする一書。

[目次]
【はじめに】
第一章 M&Aの基礎知識
1.事業承継の形態
(1) 何故M&Aの基礎知識から入るのか?
(2) 事業承継はタテ・ヨコ・ナナメの方向がある
2.M&Aの代表的な形態
3.株式譲渡
(1) 概略
(2) 取引全体の流れ
(3) 株式譲渡の形態が向いているケース
(4) 株式譲渡の形態が向かないケース
(5) 譲渡対価の受け取り手
(6) 売り手側のメリット
(7) 買い手側のメリット
(8) 株式譲渡の留意点
4.事業譲渡
(1) 概略
(2) 取引全体の流れ
(3) 事業譲渡の形態が向いているケース
(4) 事業譲渡の形態が向かないケース
(5) 譲渡対価の受け取り手
(6) 売り手側のメリット
(7) 買い手側のメリット
(8) 事業譲渡の留意点
5.会社分割
(1) 概略
(2) 取引全体の流れ
(3) 吸収分割の形態が向いているケース
(4) 吸収分割の形態が向かないケース
(5) 譲渡対価の受け取り手
(6) 売り手側のメリット
(7) 買い手側のメリット
(8) 吸収分割の留意点
6.M&A取引を進めるにあたって
(1) 基本方針策定
(2) 情報の取扱い
7.取材先から聞いた2つのM&A事例
(1) 1例目──吸収分割事例
(2) 2例目──MEBO事例
第二章  事業承継事例研究
1.事業承継事例研究を始めるきっかけとプロセス
(1) 事業承継に対するイメージの覆り
(2) 後継者不在問題
(3) 地域も業種も規模もバラバラ
(4) 事業承継の経験の有無
(5) 業種・業態の変遷
(6) 共通点の存在の有無
2.パターンA~Fの共通点
(1) 社長退任年令の目安
(2) 社長ポストに対する執着心の無さ
(3) 株式の取り纏め行為
(4) 他人の飯を食った経験
(5) 後継者にも他人の飯を食らわす
(6) 後継者候補は会社に一人だけ採用
(7) 古参社員への対処
(8) 事業に対する攻めの姿勢
3.事業承継のパターン分類
4.パターンAの事例その1──貿易会社Z社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
5.パターンAの事例その2──プロパンガス小売り会社Y社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
6.パターンBの事例──印刷会社X社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
7.パターンCの事例──総合菓子製造会社W社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
8.パターンDの事例──建築会社V社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
9.パターンEの事例その1──船舶艤装会社U社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
10.パターンEの事例その2──飲食事業会社T社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
11.パターンFの事例──住宅会社S社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
12.パターンGの事例──人材派遣会社R社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
13.パターンHの事例──ベンチャー企業2社
I.事例その1──ワイナリー会社Q社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
II.事例その2──換気コントロール会社P社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
14.パターンIの事例──学習塾O社
(1) 経緯説明
(2) 本事例で考察すべき点
第三章  中小企業に見られる問題点と弊害
1.組織形態と内部意識の方向性
(1) ピラミッド型組織での意識の方向性
(2) 中小企業に有りがちな文鎮型組織と意識の方向性
(3) 文鎮型組織に陥る原因
2.属人的仕事の持ち方の原因と弊害
(1) 文鎮型組織から生じる業務の属人性
(2) セーフティネットの欠落
(3) 属人的仕事の持ち方の弊害
第四章  事業承継に向けた対策
1.社長として基本認識すべき事項
(1) 社長と会社との関係性
(2) 役職と人物とを区別すること
(3) 下からの意見を聞かなければならない原理
(4) 環境が人を育て地位が人を作るために必要な要素
(5) 社長自身の客観的視点
2.事業承継に向けた体制作り
(1) 会社のルール化の元となるルール作り
(2) 社内業務効率化の事例
(3) 計画性を持った会社運営
(4) 組織作りの要点
(5) 事業承継対策としての株式移転事例
(6) 経営者保証ガイドラインとその対応
第五章  事業承継に関する取引銀行の役割
1.出向先から評価を受けない原因の考察
(1) 自分では気づかぬ感覚のズレと錯覚
(2) 捨て切れない自分本位の考え方と行動
(3) 銀行時代の話題を出したがる癖
(4) 銀行時代の一点絞りの考え方と行動
2.銀行員が潜在的に有する能力
(1) 高い事務品質
(2) 文章力・構成力・語彙力
(3) PDCAサイクルと計画力・段取り力
(4) 先輩が後輩を指導育成する風土
3.出向先で潜在能力を活かすための心構えと準備
(1) 余計な自己意識の除去
(2) 感覚のズレの修正と錯覚の除去
(3) 自分第三主義
(4) 信頼関係構築のキーワード
(5) 準備しておくと良い知識とスキル
【おわりに】
著者略歴

[担当からのコメント]
本書は事業承継をテーマにした作品ですが、事例研究を読んでいると中小企業経営の裏側にある経営者の人生も垣間見ることができて、ちょっとした人間ドラマを見ているような気分にもなります。経営は「人」なのだと改めて思わせてくれる本書、ぜひご一読ください。

[著者略歴]
田中経広(たなか つねひろ)

1955年福岡県生まれ。
1978年長崎大学経済学部卒業後東海銀行に入社。
企業情報を扱う部署に長く在籍するという特異な職務経歴を持つ。今回、サラリーマンを卒業するにあたり本書を執筆。

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