ロマン主義の巨匠 S. T.コールリッジの詩と哲学──『文学評伝』要約と解説

(著) 野上憲男

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作品詳細

ー天才詩人S. T.コールリッジの全貌を追うー
Samuel Taylor Coleridge(S. T.コールリッジ)は、18世紀末から19世紀初頭にかけて活躍したイギリスの詩人、哲学者であり、ロマン主義運動の中心人物である。そんな彼の記した『文学評伝』(Biographia Literaria)は、自身の文学的、哲学的探求の集大成とも言える著作であり、そこで彼は詩の本質や想像力の役割について深く探求している。本書は、S. T.コールリッジを語るにあたって欠かすことのできない『文学評伝』をわかりやすく解説し、全章の要点をまとめた一書である。コールリッジの詩的な概念と哲学的洞察に基づいた文芸家としての生涯を描写し、彼の文学と思想を深く理解するための貴重なガイドとなっている。

[目次]
はしがき
序章『文学評伝』の出版事情
Ⅰ 『文学評伝』(Biographia Literaria)
 第一章 本書刊行の動機
 第二章 天才たる者は怒りっぽいと考えられることについて
 第三章 筆者が批評家に世話になった恩義、及び、そうだと思われる場合
 第四章 『抒情民謡詩集』の序文
 第五章 観念連合の法則について
 第六章 ハートリーの仮説
 第七章 ハートリーの理論の必然的結果について
 第八章 デカルトによって導入された二元論の体系
 第九章 哲学は科学としてあり得るか
 第十章 想像力、又は形成力の本性と発生
 第十一章 若い頃に作家になりたいという人たちへの心からの説教
 第十二章 後に続く章を精読するか、省略するかに関して
 第十三章 想像力、あるいは全一に形成する力について
 第十四章 『抒情民謡詩集』出版事情と最初の計画目的
 第十五章 詩の定義
 第十六章 現代の詩人と15、16世紀の詩人との間の顕著な相違点
 第十七章 ワーズワース氏の独特の条件の検討
 第十八章 韻文の言葉と散文の言葉との違い
 第十九章 前章の続き
 第二十章 前章の問題の続き
 第二十一章 現代評論雑誌に関する所見
 第二十二章 ワーズワース氏の詩の特有な欠点
 第二十三章 誤解を招くきっかけを除去する
 第二十四章 結び
Ⅱ 芸術論(On Poesy or Art)
 Appendix(1)Advertisement(to volume of 1798,“Lyrical Ballads”)
 Appendix(2)Preface to the“Lyrical Ballads” 抒情民謡詩集序文
 Appendix(3)Biographia Literaria(1847)(第二版)
 Appendix(4)W. L. Bowlerのソネット
 Appendix(5)S. T.コールリッジの名言集(年代順に)
おわりに
著者略歴

[担当からのコメント]
専門的に学んでいる人を除いては、S. T.コールリッジという人物の名前を聞いたことがないという方も多いかもしれません。しかし、イギリスのロマン派詩人として多くの優れた作品、著作を残した彼が展開した想像力の概念は、後の詩人や批評家たちに大きな影響を与えました。S. T.コールリッジの思想や哲学に興味のある方はもちろん、詩の本質や文学が人間の精神に及ぼす影響などを本格的に追及したい方にもおすすめの一書です。

[著者略歴]
野上憲男

1944年生まれ
岡山大学法文学部英文科副手
元倉敷市立短期大学助教授
元京都経済短期大学教授・学長
最終研究学歴
 旧文部省在外研究員としてロンドン大学(U.C.L.)に留学

主な著書(単著のみ)
『若き日のコールリッジ』(旺史社 1992)
『コールリッジ詩集 ― シビルの紙片 ―』(丸善 1922)
『S. T.コールリッジ詩集』(成美堂 1996)
『コールリッジ談話集』(旺史社 2001)(全訳)
『英語諺・名言辞典』(あぽろん社 2009)
『Toward Completion of S. T. Coleridge's vicious circle of Thought』(大阪教育図書 2010)(英文)
『S. T.コールリッジ詩集』(大阪教育図書 2013)(全訳)
『コールリッジ研究』― 象徴の言語 ―(22世紀アート 2022)

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