モーツァルトーその音楽的生涯から肖像画まで、天才の真の姿を追求する
(著) 松田至弘
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―思う存分、モーツァルト!―
幼いころから天才の名をほしいままにした作曲家・モーツァルト。その音楽は今なお多くの演奏家、そして聴衆を魅了し続けている。ここにも、そんなモーツァルトの音楽を愛して止まない熱烈な好事家がひとり。ただ少し違うのは、彼は音楽を聴くだけにとどまらず、その実像を追い求めて同時代の史料や文献を読み漁り、ウィーンにプラハにミュンヘンとその足跡を辿り、モーツァルトの肖像研究にも足を踏み入れる。ーーそんな重度のモーツァルト好きがお届けする、ヴァラエティ豊かな天才作曲家の魅惑の世界へようこそ。
[目次]
まえがき
「二二世紀アート版」へのまえがき
第一章 モーツァルトの生まれ故郷――ザルツブルク逍遥――
1 ミラベル庭園の美しい景観
2 モーツァルト一家の住まい(舞踏教師の家)
3 旧市街目抜き通りの生家
4 祝祭劇場・レジデンツ・大聖堂
5 モーツァルト広場の記念像
◆コラム1◆ 旅の土産品(みやげひん)「ピアノ協奏曲第二一番」のCD
第二章 モーツァルトと家主と大司教――生家(博物館)を再訪して考える――
1 展示されていたさまざまな肖像画
2 商人ハーゲナウアーについての会話
3 一家の演奏旅行と家主・二人の大司教
4 モーツァルトの生家の〝バール〟
◆コラム2◆「ナンネル・モーツァルト」(映画・DVD)を観て
第三章 ウィーンのモーツァルト――関連史跡を歩いて考える――
一 音楽の都と神童の記念物
二 探訪・第一日目
1 モーツァルトと聖シュテファン大聖堂
2 ドイッチェスハウス(ドイツ騎士団の家)
3 神の目館跡
4 グラーベンのトラットナーホーフまでの家跡
三 探訪・第二日目
1 ホーフブルク(王宮)とその周辺
2 モーツァルトハウス・ウィーン
3 ノイアー・マルクトとヤーンのレストラン跡
4 最後の家――小カイザーシュタイン館跡
◆コラム3◆ 黄金のホールとモーツァルト・コンサート
第四章 最晩年のモーツァルト?――ベルリンで出会った肖像画――
1「モーツァルトの絵がありますよ……」
2 ベルリンの肖像画から受けた印象
3 BBCニュースの内容
4 モーツァルトの真正な肖像画
5 求められる真正性の証拠
◆コラム4◆ ドイッチェスハウスの魅力のコンサート
第五章 彼は本当にモーツァルトか?――肖像画の人物をめぐる論争――
1 衝撃を与えた「最後の肖像画発見」のニュース
2 ベルリン側の主張――肖像画が描かれた経緯
3 二つの肖像画の比較分析と出された結論
4 国際モーツァルテウム財団の「論評」
5 ミュンヘン市文書館による調査とその結果
6 論争の反映と国際財団のコレクションの頂点
7 ベルリン側の研究と主張に対する筆者の考え
第六章 カール・バルトとモーツァルトの音楽――大音楽家への最高の賛美――
1 ドイツで買ったバルトの小著
2 バルトの生涯とモーツァルトへの傾倒
3 心からの賛美と感謝の言葉
◆コラム5◆ 愛好団体「モォツァルト広場」のコンサート
第七章 小林秀雄のモーツァルト論――名曲とヨーゼフ・ランゲ作の肖像画――
1 出版され続ける「モオツァルト」
2 ト短調シンフォニーとランゲ作の肖像画
3 小林秀雄のモーツァルト像
4 江藤淳のランゲの肖像画の見方
5 エッセイの与えた影響と現在
◆コラム6◆ 日本人の好きなモーツァルトの曲=ベスト15
■モーツァルトとその時代・年譜
【参考文献】
あとがき
著者紹介
[担当からのコメント]
Wikipediaを調べればすぐに様々なことが分かる昨今ですが、一人の人間の生涯を知るにはそれを彩り肉付けする様々なものが必要となります。モーツァルトの生涯をより深く知りたいという方にお薦めの一書です。ぜひご一読ください。
[著者紹介]
松田 至弘(まつだ・よしひろ)
1940年東京生まれ。早稲田大学教育学部(西洋史専攻)卒業。秋田県立本荘高等学校長、秋田北高等学校長などを歴任。県合唱連盟会長や県高等学校文化連盟会長を務める。世界史教育の研究に関する賞や瑞宝小綬章などを受章。現在、歴史研究家(西洋近世・近代文化史)で歴史エッセイを書いている。秋田日独協会顧問(前会長)、愛好団体「モォツァルト広場」会員。
著書に、『世界史教育の方法と実践』(教育叢書2、教育出版センター)、『世界史学習の研究―魅力ある世界史学習へのアプローチ』(歴史教育叢書4、教育出版センター)、『ルターとクラーナハへの旅』(牧野出版)、『ドイツ・チェコ・オーストリア 歴史と文化の旅』(冬至書房)、『モーツァルト―時代の寵児への旅―』(冬至書房)、『ドーラ・シュトック―モーツァルトを描いた女流画家』(三元社)などがある。
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