ボッティチェリの絵

(著) 金山嘉城

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作品詳細

[商品について]
―人生、それは独白劇であり、群像劇でもある―
これまで何度か読み返しては挫折してきたプルーストの大作『失われた時を求めて』をもう一度読んでみようと頁を開いたとき、ふと脳裏に浮かんだのは長年解決していない疑問、すなわちスワンの恋人オデットがどんな顔をしていたのかという疑問だった。プルーストがサン・ピエトロ寺院のシスティナ礼拝堂にある一枚の壁画を登場させて描写したオデット、その姿を探し求める時間は、やがて妻とつき合う前に出会ったひとりの女性と私を記憶の中で邂逅させるーープルーストの大作をモチーフに、もう一つのプルースト的な作品世界を繊細な筆致で描いた表題作「ボッティチェリの絵」をはじめ、時の流れが醸し出す人生の色合いが味わい深い五篇の物語を収めた短編集。

[目次]
ギ プ ス
犬の散歩
非常階段
ボッティチェリの絵
カフカの小説
あとがき

[担当からのコメント]
素晴らしい物語との出会い、そこには深みのあるフルボディの赤ワインの色や熟成されたウィスキーが醸し出す豊潤な香りにも似た、心を豊かにしてくれるようなしっとりとした歓びがあります。本書に収められた物語に、そんな素敵な出会いを感じていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
金山 嘉城(かなやま かじょう)

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