もっと知りたい「水」ーー地球と私たちの暮らしを支える科学
(著) 小野英喜
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―水のこと、どれくらい知っていますか?―
・花や果物の香りも油や脂肪も、アルコールと有機酸から水分子が取れてエステル結合した同じ物質である。
・化石燃料に含まれる硫黄が燃えて生まれる硫酸が原因の酸性雨は、レモンと同じ強度の酸性度を持っている。
・冬に湖の表面が凍っても水面下の魚や昆虫が生きていられるのは、氷の密度が水よりも小さいからである。
「H2O」という極めて簡単な構造を持ちながら、知れば知るほど面白い「水」。身の回りの現象から地球規模の変化まで様々な作用の源となっている「水」を、科学の目を通してやさしく語った水と科学の不思議なはなし。
[目次]
Ⅰ 自然と水と
1 エビアンからアルプスが見える(硬水と軟水)
2 水の惑星・地球
3 雪は降り(ふり)、霜は降りる(おりる)
4 雪が降る
5 水の長い旅
6 花の香りは酸とアルコールから
7 地球の表面を加工する水
8 硫酸の雨が降る(酸性雨)
9 水の動きで早期ガンを発見
10 20mもの梢までとどく水
Ⅱ 食と水と
11 農業は水に支配されている
12 お茶を飲む
13 お酒の化学
14 日本酒は水しだい
15 豆腐の味も水しだい
16 青菜に塩
17 寒天とインスタントコーヒー
18 ご飯のおいしさは水がつくる
19 山の上で炊くご飯は味ない
20 水を抱えて放さないコンニャク
21 スポーツ飲料は食事時に飲まないように
22 水は生物の体をつくりエネルギーを運ぶ
23 水の振動で温める電子レンジ
24 食品を水から守る乾燥剤
25 深層水とは何か
26 「フレッシュ」な話
Ⅲ 飲み水をつくる
27 水道水をつくる ①琵琶湖
28 水道水をつくる ②琵琶湖疏水
29 水道水をつくる ③上水道のしくみ
30 下水道を流れる水
31 水道管を破裂させ岩を砕く氷
32 海の水を飲み水に
33 浄水器と活水器
34 アルカリイオン水は必要か
Ⅳ 生活と水
35 湯たんぽと水枕
36 携帯用の氷枕
37 火傷しない100℃の水蒸気(サウナ風呂)
38 さび(錆)は水から
39 水で布を切る
40 油の火災は水で消すことができない
41 水は二刀流で気体を溶かす
42 金魚は水に溶けるわずかな酸素で生きている
43 ホタルは「甘い水」が好きか
44 1gの紙オムツは1リットルの水を吸収する
45 蒸れないオムツカバー
46 皮膚を保護する乳液とクリーム
47 シャンプーとリンス
48 シャボン玉飛んだ
49 水に溶ける紙、溶けない紙
50 水は有害物質を分解する
51 汚れはなぜ落ちる
52 氷はなぜ水に浮くか
53 超純水をつくる
54 ものづくりにも水が必要
55 汗と打ち水
56 「水に流して」仲直り
57 水をつくって走る電気自動車
58 くっつく(接着剤の化学)
Ⅴ 水分子の不思議
1 はじめに
2 ものは水でできている
3 原子の構造と種類
4 水の分子は、水素原子2個と酸素原子1個からできている
5 氷、水、水蒸気
6 水はものを溶かす
7 ものの温度と状態変化
参考文献一覧
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
毎日飲む水がどこから来たのかなんて普段はあまり考えませんが、本書を読み終えたあとはコンビニで買うエビアンも水道水もちょっと違った目線で見ることになるでしょう。単なる雑学ではなく、私たちの生活の未来を考えるうえで示唆に富む本書、ぜひご一読ください。
[著者略歴]
小野英喜(おの ひでき)
1943年東京で生まれ、京都で育つ
金沢大学教育学部卒業
京都府立高校教諭、京都大学や立命館大学などの講師を経て、退職。現在に至る。
所属学会・研究会(2006年現在)
科学教育研究協議会
教育目標・評価学会、関西教育学会
全国到達度評価研究会、化学史学会など
主な著書
『学力保障と学校づくり』(三学出版)
『くらしと化学の話』(新生出版)
『新版 1から分かる原発問題』共著(京都民報社)
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