みちのく朝日連峰山だより─あるナチュラリストの小屋番日記から
(著) 西澤信雄
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―自然を愛する人たちの憩いの場、それが「ナチュラリストの家」―
朝日川が目の前を流れ、窓からは大朝日岳が見える山小屋「朝日鉱泉ナチュラリストの家」。そこで登山者や太公望を迎えるのは、それまであまり登山経験がなく酒も飲めない山小屋の主人です。それでも経験豊富な地元の山人たちとの出会いに恵まれながら、彼は今日も小屋を管理し都会では味わえない山の暮らしを満喫します。ーー「近くに葬儀屋ありますか」と尋ねる釣り人や家族の注意を押し切ってやってくる85歳のキノコ採り師など、みちのく朝日連峰の雄大な自然の暮らしと山小屋に集まる個性豊かな人たちとの交流をユーモラスに綴った小屋番日記。
[目次]
まえがき
Ⅰ お客さんア・ラ・カルト
わが宿は「朝日鉱泉ナチュラリストの家」
コースタイムを縮める驚くべき健脚者たち
飯豊・朝日連峰はしご登山と『日本百名山』
湯治のお年寄りが語る〝朝日のお湯〟の昔
アタッシェケースを携えた背広姿のお客様
「近くに葬儀屋ありますか」と尋ねた釣り人
仙人は聴診器を首にぶら下げていた
Ⅱ 山の幸をめぐる人間模様
山菜採り、素人に差をつけるプロたちの行動
ゼンマイ、里人をうるおす山菜の王者
「花よりキノコ」、朝日のベストエイトは……
カメバチに引導を渡された超ベテラン
マイタケ採りに見る商売人たちの駆け引き
ナメコ、栽培ものと天然ものの違い
Ⅲ わが宿の〝隣人〟たち
クマがタバコの煙を吹きつけられたとき
ウド、わが宿の客引きをしてくれるカモシカ
ウサギやタヌキがお相手の夜の林道ラリー
イヌワシからおのが身を守った廃鶏の産卵
Ⅳ 美しきブナ林の中で……
野ネズミの大発生とブナ林の副産物
林道四話、そしていささか複雑な私の心境
怠け者が考えた雪下ろし省力作戦ABC
集中豪雨と朝日名物ワイヤー橋のはざま
雨の日の開通式で目にした神主さんの奇跡
テント設営に伴うとてもゆううつな話
騎馬武者も駆け抜けた昔々の朝日連峰縦走路
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
山小屋と聞くと、登山に臨む人たちの一時的な休憩所というイメージがありますが、本書の「朝日鉱泉ナチュラリストの家」には、朝日の自然を愛する個性豊かな人たちが和気あいあいと集まってくる民家のような温かさがあります。普段、自然から遠ざかっている人も、朝日の壮大な自然とナチュラリストたちの心の交流を本書でお楽しみいただければ幸いです。
[著者略歴]
西澤信雄(にしざわ・のぶお)
一九四八〜二〇二三年。
滋賀県大津市に生まれる。
膳所高校をへて愛媛大学を卒業後、一九七五年から朝日鉱泉ナチュラリストの家に入る。
朝日鉱泉ナチュラリストの家代表
日本ナチュラリスト協会理事
環境庁自然公園指導員
秋田営林局保全管理協力員
現住所=山形県西村山郡朝日町宮宿西町
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