ふみちゃんの戦争
(著) 吉田勝彦
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―幼なじみを失い、親切な近所の人々を失い、馴染みのお店を失い、故郷を失った―
亀戸で長女として生まれたふみちゃんは、人情味あふれる下町で幼い日々を過ごしました。でもその一方で日本は中国との戦争に突入し、ふみちゃんが五年生になる頃には、戦争の影はふみちゃんの身近なところにまで迫っていました。やがてアメリカとも戦争を始め戦局も激しさを増す中で、ふみちゃんはあの恐ろしい東京大空襲を経験する。様変わりする町、離れ離れになる家族、失われる命、そして家族を支える責任ーーひとりの女性の若き日々の中にある戦争という過酷な現実をつぶさに綴った戦争の記憶。
[目次]
はじめに
1 ふみちゃんの生い立ち
2 お父さんのこと
3 お母さんのこと
4 おじいさんのこと
5 四軒長屋
6 お風呂屋さん
7 迷子だ、じんましんだ!
8 紙芝居
9 ふみちゃんの楽しみ
10 お母さんと
11 お父さんと
12 学校のふみちゃん
13 泣き虫ふみちゃん
14 子守り
15 ふみちゃんの好物
16 戦争のこと その1
17 食糧不足
18 日立(ひたち)製作所
19 修学旅行
20 いもの買い出し その1
21 お父さんのリヤカー
22 いもの買い出し その2
23 大島実践女学校入学
24 妹と弟、集団疎開へ
25 いもの買い出し その3
26 お父さん、軍事工場へ
27 ちんちん電車の運転手になるんだ
28 おじいさんは長屋の人気者
29 戦争のこと その2
30 激しくなる空襲
31 いもの買い出し その4
32 妹が帰る
33 東京大空襲の日
34 一夜が明けて
35 父との再会
36 大空襲を振り返って
37 松島アパートへ
38 ふみちゃん、仕事に復帰する
39 松島アパートでの生活
40 ふみちゃん一家の集団疎開
41 質屋さん
42 終戦
43 戦争のこと その3
44 働くふみちゃん
45 満州(まんしゅう)から母の兄帰る
46 親切な人
47 引っ越し
48 お父さんの商売
49 いもの買い出し その5
50 お給料
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
戦争が市民に何をもたらすのか、そうした証言はあればあるほど見聞する必要があるのではないかと思います。本書に綴られたふみちゃんの戦争の日々も、今を生きる私たちが戦争について考えるための大切な記憶のひとつです。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
吉田勝彦――よしだ・かつひこ
一九五六年、東京都小松川で生まれる。育ちは千葉県船橋市、現在佐倉市在住。千葉合唱団に所属し、平和で健康的な歌をうたっている。また、フラワーハイキング「お花探検」を運営しており、各地の山々を歩いている。ガーデンコーディネーターとして、園芸アドバイスも手がけており、自宅の庭と手作りガーデンを紹介したホームページ「カコの庭」を開設している。
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