どこかで出会う、いつかは読みたい反戦文学
(著) 高柳泰三
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[商品について]
―歴史の底に流れる平和への願いをたどる―
与謝野晶子の『君死にたまふことなかれ』は、反戦文学の代表的な作品の一つとして、現在でも多くの人に愛されています。
読者の心を動かし「反戦平和」への思いをかきたてるこうした反戦文学作品は、明治の終わりに多く輩出されましたが、本書はそこに至るまでにはどのような流れがあったのか、その源流はどこにあるのかを探究しようと試みた作品です。
反戦文学の一つの到達点である与謝野晶子の時代から、詩や小説、戯曲など様々な作品を鑑賞し、解説しながら近代日本の「反戦平和」の原点まで辿り着く本書は、文学愛好家はもちろん、自由と平和を願う全ての人にお届けしたい一書となっています。
[目次]
まえがき
序章 『君死にたまふことなかれ』とその後
年表 序章
1 『君死にたまふことなかれ』 与謝野晶子
2 『提灯行列と老母の声』 千伏花子
3 『戦争を呪ふ』 山口孤剣
4 『戦場の死生観』 碧川企救男
5 『陣中詩篇』より 小杉未醒
ほか
第一章 日露戦争の時代
年表 第一章一、二
《日露戦争とは》
一 開戦の日へ
1 『好戦論者と不好戦論者』 上田 敏
2 『乱調激韵』 中里介山
3 『トルストイ翁の非戦論を評す』 幸徳秋水
《参考》 短歌三首 星山安
4 『今はの写しゑ』 大塚甲山
5 『四日間』 ガルシン 二葉亭四迷 訳
ほか
二 開戦前夜――「日英同盟」締結へ
1 『平民新聞』は叫ぶ Ⅱ
2 『平民新聞』創刊宣言
3 キリスト教徒の非戦論 内村鑑三ら
4 松岡荒村の諸作品
5 木下尚江の新聞論説より I
ほか
第二章 大戦の狭間で
年表 第二章
《時代》
1 『嗚呼売淫国』 正岡芸陽
2 「社会民主党」の宣言・綱領
3 『戦袍余塵』 田岡嶺雲
4 『広瀬川』 吉野臥城
5 木下尚江の新聞論説より Ⅱ
第三章 日清戦争の時代
年表 第三章一、二
《日清戦争とは》
一 開戦の日へ
1 『七騎落』 広津柳浪
2 『厭戦闘』 宮崎湖処子
3 『非国民』 広津柳浪
4 田岡嶺雲の諸作品
5 『海城発電』 泉鏡花
ほか
二 開戦前夜――「教育勅語」発布へ
1 北村透谷の評論 I
2 『「平和」発行之辞』 北村透谷
3 『蓬莱曲』 北村透谷
4 『「不敬事件」の述懐』 内村鑑三
〈注〉
終章 「反戦平和」の源流へ
年表 終章
1 北村透谷の評論 Ⅱ
2 『楚囚之詩』 北村透谷
3 『自由歌』 植木枝盛
4 『浮雲』 二葉亭四迷
5 『自由の歌』 小室屈山
ほか
〈参考文献〉
あとがき
筆者略歴
[出版社からのコメント]
平和を願う人々の思いはどの時代でも変わることはありませんが、本書ではそれを文学作品を通じて遡ることができます。戦争から時が過ぎ平和が続く今の時代だからこそ、反戦文学を繙くことは大切なことではないかと思います。反戦文学の流れを涸れさせることなく、大河となって未来に引き継がれていくための一助として、本書を多くの方にご活用いただければ幸いです。
【著者プロフィール】
高柳泰三(たかやなぎ・たいぞう)
1934(昭和9)年 岐阜県中津川市に生まれる
1953(昭和28)年 岐阜県立多治見高校卒業
1959(昭和34)年 名古屋大学文学部卒業
1995(平成7)年 愛知県立高校教員定年退職
現 在 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟多治見支部員
全日本年金者組合土岐支部員
現住所 〒509-5122
岐阜県土岐市土岐津町土岐口1870
(電話)0572-54-4468
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