たたらと文化財と古都源八久富

(著) 三上茂文

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作品詳細

「この地僻陬にて中央の文化と隔絶し、然れども生活基礎堅固なりしを以て人情厚く、一般に質実倹徳純朴の気風」(『日野郡史』大正15年)
この地方の気風を言い得て妙です。しかしその裏返しは、厳しさと緊張感に遠く、ややもすれば進出の気迫に欠け、あたらず触らず事勿れ、井の中のかわず的気風を育んではいないでしょうか。
常福寺貫華蔵は黄檗宗鉄眼版一切経全巻を蔵し、十六羅漢像・傅大士などを配し、300年間埋もれたまま今日に至ったことは、前述の気風と無関係とは思われません。十六羅漢像の写真も世に出るのは初めてです。おそらく一級の仏師によって作られた国宝に値する文化財だと信じています。十分な手当と公的管理のうえ将来へ引き継がれることを望みます。
因みに記録にある、たたらの元祖・古都姓を名乗る末裔の人は全国でおおよそ390名。その大半は鳥取県西部在住。言い換えて、初対面で古都さんを、ふるいちさんと読んで、呼べる人は鳥取県西部にゆかりのある人だけです。(著者より)


鉄は農のもと。鉄は文明の母。鉄は国家なり――
本書は、鳥取県の南西内陸部にある日南町下石見村出身の著者が、郷土の歴史を再考証した研究書。
大正15年刊行の『日野郡史』にも記述されている伝統的製鉄法「たたら」の起源から衰退、偉大な文化財の存在、そして下石見村の繁栄に影響を与えた印賀の古都家の三代目である古都源八久富(1689-1737)についてまとめている。巻末には下石見村(周辺)の年表付。
下石見村の重要な文化と歴史を網羅した貴重な一冊‼ 是非ご一読下さい。(22世紀アート編集部より)


【著者プロフィール】
三上 茂文(みかみ· しげふみ)

昭和8 (1933)年日南町下石見生まれ
石見西国民学校米子東高等学校47期
京都市に於いて電機設備会社経営引退後趣味の
農業の傍ら地域のボランティア活動
京都市長賞受賞3回など
京都鳥取県友会

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