この国の教育のかたち:1998ー2004宮城から:教育の散歩道
(著) 石田一彦
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―教育の道を路傍の花とぶらぶらと―
フィレンツェの孤児養育院を訪ねて思うルネサンス期の教育、卒業の季節に感じる現代の若者とばか騒ぎの効用、感動を呼ぶ熱戦とは裏腹に暴力主義がはびこる高校野球、停滞する政治経済が生み出す社会不安と明治時代への回帰志向ーー長く教育学の研究・指導に携わってきた著者が、宮城県教職員組合の月刊誌『教育文化』に執筆した7年にわたる連載をまとめた教育エッセイ集。
[目次]
第1章 '98年
私の小学生時代
ワールドカップ考
フィレンツェに想う
ルネサンス期の教育
「星の王子さま」、還る
「星の王子さま」の意図するもの
第2章 '99年
科挙とカンニング
科挙と試験勉強
「ばか騒ぎ」の効用
桜の季節に寄せて
セクハラ訴訟考
「日の丸・君が代」考
「日の丸・君が代」と民主主義
「日の丸・君が代」、ついに法制化
「無言館」仙台展に寄せて
「赤狩り」とアカデミー賞
「赤狩り」と盗聴法
第3章 '00年
二〇〇〇年を迎えて
ウラ校則と中学生
ウラ校則と「先輩・後輩」
千葉すず選手落選の波紋
「神の国」発言と国のかたち
少子化と虐待死とそごう
ここはどこの国
ソウルをはじめて旅して
金大中さんにノーベル平和賞
二十一世紀へのみやげ
第4章 '01年
二十一世紀の幕開けにあたって
高校の同期会に出席して
愛犬との別れに想う
日和山公園の桜
日本保育学会を開催して
高校野球と暴力
日米のプロ野球オールスターゲーム
小泉人気と靖国参拝
同時多発テロと二十一世紀の今後
古今亭志ん朝の死を悼む
保育所・幼稚園と小学校との連携
第5章 '02年
明治は近くなりにけり
冬季五輪から見えてくること
「不思議な学校」保育専門学院、閉校す
ナチスの戦争犯罪、いまもなお
ワールドカップ考、ふたたび
日本と韓国の連帯のひろがりを
呼称にみる差別意識の払拭を
新札の肖像、漱石消え、諭吉は続投
福沢諭吉の女性観とアジア観
北朝鮮拉致事件と今後の課題
教育基本法「改正」と「心のノート」
第6章 '03年
カンボジアの旅に想う
「武蔵」が求めるたくましさの行き着く先は
卒業演奏会が教えてくれたこと
わが誕生日に想うこと
大切にしたい誕生日なのに
長崎の事件とおとなの責任
ドイツ旅行の思い出
ベルリンを旅して思うこと
サンタはいるの?
第7章 '04年
「豚木」って誰――大学入試こぼれ話
オウム事件から何を学ぶか
〈おわりに〉
著者略歴
[担当からのコメント]
本書には1998年から2004年まで掲載されていたエッセイが収められていますが、語られる出来事を懐かしいと思う反面、そこにある問題意識が未だに現実として私たちの前にあるということに教育の難しさを感じさせられもします。日本という社会の歩みとこれからについて考えさせてくれる本書、ぜひご一読ください。
[著者略歴]
石田 一彦(いしだ・かずひこ)
1946年、札幌市生まれ。
1970年、東北大学教育学部卒業。1975年、同大学院博士課程単位取得。
日本学術振興会奨励研究員、尚絅女学院短期大学講師、助教授、教授を経て、現在、尚絅学院大学女子短期大学部教授、保育科長、尚絅学院評議員。
社会福祉法人宮城県済生会理事、財団法人名取市文化振興財団理事、名取市次世代育成支援行動計画策定懇談会会長、みやぎ教育文化研究センター運営委員。専門は教育学。
1992年から1998年まで、社団法人全国保母(保育士)養成協議会専門委員を併任。
著書に『人間関係』(共著、チャイルド社)、『教育原理』(共著、全国社会福祉協議会)など。
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