がむしゃら、自己流、でも燃えていたーー岩手からの或る人生小史
(著) 及川惠右
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―失敗も数あれど、たしかに懸命に生きてきた―
戦争により疎開っ子となった少年は、初めこそ周囲に馴染めなかったものの、小学校も高学年になると先生も手を焼く悪童へと成長した。中学に入ると家計を助けるために大人に混じって日雇い仕事をし、働きながら定時制高校に通い、学校の実績作りのために受けた国立大学に見事合格し、多くの人の助けを受けながら卒業して教師となった。紆余曲折ありながらも、振り返ればそこにあるのはがむしゃらで精一杯歩き続ける自らの姿だった。ーー父や母、祖母などの家族、学業や仕事の中で出会った人々、様々な人と出会い生きてきた日々を記憶を辿りながら綴った人生の回顧録。
[目次]
―自分小史―『がむしゃら人生』出版に寄せて
1章・子どもの頃(疎開生活~新地でのくらし)
疎開っ子
祖母の思い出
祖母の昔話
疎開者つぎつぎ
松脂(まつやに)ローソク
石炭をつくる?
死にかかったこと
お礼のリンゴ
妹の臨終
伯母のこと
寝小便
落ち着きの無さは人一倍
とにかく悪ガキ
2章・中学~高校の頃(他家での生活)
父と母のこと
土方仕事と薪集め
牛の泪
門送り
食後の釜洗い
他人の家の飯
にわとり騒動
高所恐怖症
定時制あれこれ
思い出の旧友
ヒョウタンからコマ
3章・大学生活の頃(~アルバイト~会誌創刊へ)
アルバイトで受けた恩
職種はえらばず
寮生活さまざま
1度だけの出会い
人生を変えた? バイト
映画製作で知り合った人たち
『会員誌』を作る
若者は何かに飢えていた
会誌発行での縁
広告と原稿集め
女性会員の協力と活躍
会誌作りと人材
4章 社会人(主に教師生活)の頃
教師の道
妹たちの高校進学
新米なまいき教師
生活指導の難しさ
教員組合への加入
超過勤務は当たり前
気骨のある生徒
生徒とのもめごと
授業の難しさ
生徒の進路もいろいろ
学校での多様な仕事
5章 番外編(その他・よもやま話)
趣味の山菜採り
命に代えてもいい木
白い蛇
戻ってきた猫
読書の思い出
酒と口は災いのもと
〈今だから言えること〉
▽父母の決心
▽馬のこと
▽高校時代の早弁
▽バイクで振り落とし
▽ルーブル美術展
▽記念写真
▽北上市での生活
▽競馬場に置き忘れ
▽飼い犬の最期
▽教え子の結婚式
▽応援団員の宿泊
▽養護学校の子
▽母への言動
▽父との将棋
▽両親の病
▽子どもの誕生
心に残ったひと言…(エピソードを兼ねて)
―寄稿― 台風接近時に裏岩手縦走登山
自分小史関係略年表
【資料編】内容一覧=文書・写真など
資料編〈目次〉
【資料編・補足説明】
【本稿を記すに当たっての参考にした資料】
あとがき
編集追記
著者略歴
[担当からのコメント]
一家心中かブラジル移住かを母から相談されたという中学時代のエピソードひとつを取ってみても、敗戦から立ち直ろうとする当時の日本人がいかに必死だったかが伝わってきます。現代の生活からは失われてしまったそうした必死さやがむしゃらさが、本書の中には残っています。生き方に惑う全ての人にお薦めしたい一書です。
[著者略歴]
及川惠右(おいかわけいすけ)
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