かぐや姫という女性(ひと)──作者はなぜ『竹取物語』を描いたのか
(著) 中津攸子
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―昔話には、人の心を動かす何かがある―
竹の中から生まれたかぐや姫が名月の夜、月の都の人々に迎えられて昇天するという幻想的な日本最古の物語である『竹取物語』。時には「御伽噺」などと評されることもある本作だが、その物語に深く迫っていくと、竹取物語というのは歴史上の事実に立脚して物語が構成されていること、そして幻の王朝といわれていた葛城王朝の滅亡が、物語成立の背景にあることがはっきりと見えてくるのである。ーー本書では、竹取物語の中に日本の正史によって消された真実の古代秘史を垣間見る著者が、この物語の奥深くに潜むメッセージや、かぐや姫をはじめとした登場人物たちの人となり、はたまた不明とされている竹取物語の作者に至るまで、数々の謎とロマンに迫る!
[目次]
はじめに
日本書紀の列挙する五人の求婚者
奈良・平安の公卿たち
石作皇子(丹比島)の人となり
車持皇子(藤原不比等)の羞恥心
阿部御主人の密貿易
大伴家の滅亡と大伴御行
石上麻呂の小心ぶり
帝の求婚と権威の否定
現世讃歌
忌む月からの脱皮
かぐや姫の命名と古代史の謎
葛城王朝の流れ
斎部氏と讃岐神社
悪霊を語る物語
竹取物語成立の時期
竹取物語に見られる矛盾
かぐや姫の近代性
竹取物語の作者
竹取物語の主題
参考文献
あとがき
〈著者略歴〉
[担当からのコメント]
「昔話」と聞くと、子どもに読み聞かせるためのおとぎ話のような印象を受ける方も多いかもしれません。しかし、中にはかつての日本の姿を鮮やかに反映させた、史実に基づく物語も存在します。私たちのまだ知らない竹取物語、そしてかぐや姫を巡る歴史の旅をぜひお楽しみください。
[著者略歴]
中津攸子(なかつ・ゆうこ)
東京都台東区浅草に生まる。東京学芸大学卒。日本ペンクラブ会員。大衆文学会研究会会員。俳人協会会員。
著書『万葉の悲歌』『万葉集で読む古代争乱』『戦国武田の女たち』『小説松尾芭蕉』『天平の望郷歌』(以上新人物往来社)『市川の歴史』(市川よみうり新聞社)『観音のあるまち行徳、浦安』(中山書房)『葛飾を歩く』(NTT出版)他多数。
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