いつか帆を張れ風の馬
(著) 菅原大輔
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[商品について]
―人生はいつだって青春をとり戻せる、後先を考えなければ―
両親が相次いで亡くなり、別居中の妻と離婚し、勤めていた会社も倒産して、自由で自堕落な境遇を手に入れた幹夫は、今日もヨットハーバーの並びにある酒場「マーメイドバー」へと足を運ぶ。札付きの飲んだくれが集まる酒場でいつものように飲んでいた幹夫に、土建屋上がりの店主シバさんは、今度売りに出る幻のレース艇「九紋竜」でレースをやらないかと持ちかける。見栄と度胸で艇を買いたたき、晴れて船主となった幹夫は、大学時代のヨット仲間に声をかけてレースに出るべく準備をはじめるが、集まったのは二軍以下の面子ばかり。おまけに艇は設計も艤装も変態級。はたして「九紋竜」とへっぽこクルーのレースの行方は――? 置き忘れた青春とヨットに憑かれた仲間たちが織りなす、予測不能で抱腹絶倒の物語。
[目次]
(一)
(二)
(三)
(四)
(五)
(六)
(七)
(八)
(九)
(十)
(十一)
(十二)
(十三)
(十四)
(十五)
(十六)
(十七)
著者略歴
[担当からのコメント]
マリンスポーツにも色々ありますが、ヨットレースといえば命の危険がある海に体力と精神力と規律で乗り出す、バリバリでガチガチの体育会系スポーツです。とはいえ広大な海に惹かれる人間たちにはどこか他の体育会系にはない魅力があって、そうした愛すべきニンゲンたちの人生模様がこの物語をより面白いものにしてくれています。夢見ることをわすれた大人たちにおススメしたい作品です。
[著者略歴]
菅原 大輔(すがはら だいすけ)
1957年生。現在に至るまで神奈川県に在住。横浜市立大学文理学部化学課程卒。在学中からデザイナー、美術作家、及び楽器の製作・研究家として活動。85年「電子管楽器への提案」で第一回毎日国際インダストリアルデザインコンペティション〝特選一席〟を筆頭に、コンクールでの入選・入賞多数。銅版画の古典技法であるエングレーヴィングを習得した数少ない版画家でもある。
某電気機器メーカーで管楽器シンセサイザーの開発に参加した後、ガレージ工房「湘南うさぎ楽器」を主催してヨーロッパ古典楽器の制作を行う。その傍ら演奏会の企画や舞台監督も務めるが2007年難病に罹患して廃業。場末の文人として隠遁生活を送る。2012年六本木AXISのご好意で「回顧展」を開き、制作活動に節目を付けた。
余技の楽器演奏は40年以上に及び、フルートとイリアンパイプス(アイルランド式バグパイプ)をこよなく愛好する。
本書及び湘南シリーズ文庫本のカバーデザインと挿絵も著者自身の作品。
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