あの日沖には宝船

(著) 菅原大輔

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作品詳細

[商品について]
―人間本当の自由は預金通帳をゼロにした処から始まるんだよ―
夫との離婚がもとで焼け太りをした咲子は、会社からも身を引き、過去の華々しい記憶を求めて、コンパニオンをしていたヨットハーバーを訪れる。しかしそこで再会したのは、かつてヨットレースのスタッフとして知り合った、貧乏絵描きの寺岡だった。壊れかけた家に年の離れた若いモデルと棲み、拾ってきた調度品に囲まれた生活を見せられた咲子は、その全く異なる価値観に苛立ちをおぼえ、腹いせとばかりに昔の仕事仲間を不倫に誘う――栄光と挫折、人生の光と影の中で、過去の幻影を求める一人の女が辿り着いた風景とは何か。海辺を舞台に、様々な人間の生き方と幸せのカタチを繊細な筆致で描いた物語。

[目次]
(一)
(二)
(三)
(四)
(五)
(六)
著者略歴

[担当からのコメント]
果たしてお金で幸せは買えるのかというのは古くて新しい問いですが、本書には生き方や価値観が多様化する中で私たちは自分で自分の幸せのカタチを見つけ出していかなければならない、そんなほろ苦さを青春の残照と共に味わうような読後感があります。男女問わず、ぜひ手に取っていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
菅原 大輔(すがはら だいすけ)

1957年生。現在に至るまで神奈川県に在住。横浜市立大学文理学部化学課程卒。在学中からデザイナー、美術作家、及び楽器の製作・研究家として活動。85年「電子管楽器への提案」で第一回毎日国際インダストリアルデザインコンペティション〝特選一席〟を筆頭に、コンクールでの入選・入賞多数。銅版画の古典技法であるエングレーヴィングを習得した数少ない版画家でもある。

某電気機器メーカーで管楽器シンセサイザーの開発に参加した後、ガレージ工房「湘南うさぎ楽器」を主催してヨーロッパ古典楽器の制作を行う。その傍ら演奏会の企画や舞台監督も務めるが2007年難病に罹患して廃業。場末の文人として隠遁生活を送る。2012年六本木AXISのご好意で「回顧展」を開き、制作活動に節目を付けた。

余技の楽器演奏は40年以上に及び、フルートとイリアンパイプス(アイルランド式バグパイプ)をこよなく愛好する。

本書及び湘南シリーズ文庫本のカバーデザインと挿絵も著者自身の作品。

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