「沖縄戦」という現実ーー住民の命を道連れにした惨禍を証言から知る

(著) 行田稔彦

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―「待ってください!」それでも校長先生は黙って奥さんの首をカミソリで切った―

1945年3月26日に慶良間諸島から始まった沖縄戦は、数多くの住民を死に追いやった。特に日本軍によって強制された「集団自決」は、天皇の軍隊のために住民に死を強いた沖縄戦の本質を如実に表している。この沖縄戦を、私たちは単なる歴史としてではなく、未来のための現在の問題として考えていかなければならないーー生き残った人々が語る沖縄戦と戦争の真実、生と死がほとばしる証言の記録。



[目次]

はじめに

電子版の発刊にあたって

序章 住民が道連れにされた沖縄戦

1.集団死とは何か

2.座間味島の悲劇

3.秘密基地の島「慶良間諸島」

4.渡嘉敷島の集団死

第1章 沖縄戦前夜

1.「ああ 対馬丸(つしままる)」~忍びよる戦争の暗い影

2.戦場への道・・・子どもを戦場へ駆り立てた軍国主義教育と皇民化教育

3.10・10空襲

4.戦争準備下の第32軍と根こそぎ戦場動員された学徒たち

第2章 首里攻防戦と住民・学徒

1.アメリカ軍の上陸と第32軍

2.砲弾にさらされ、逃げ惑う沖縄住民

3.負傷兵の急増

4.女子学徒隊の野戦病院編

5.野戦病院と従軍看護婦

6.県庁職員の証言

7.首里(しゅり)戦線と鉄血(てっけつ)勤皇隊(きんのうたい)

8.北部戦線

9.証言者のプロフィール (1)ひめゆり学徒隊・しらうめ学徒隊

第3章 南部彷徨(ほうこう)

1.第32軍 首里司令部を放棄

2.南部彷徨の惨禍(さんか)

Ⅰ.女子学徒たちの証言

3.証言者のプロフィール (2)ずいせん学徒隊・でいご学徒隊・せきとく学徒隊・なごらん学徒隊・鉄血勤皇隊・県庁職員・正看護婦・住民

第4章 戦場から収容所、そして今につながる戦後の出発

1.住民たちの収容所、そして戦後

2.女子学徒たちの収容所生活、そして今につながる戦後

3.資料「避難民と収容所難民」・「沖縄島南部の戦跡」

第5章 メッセージ編

1.宮良ルリ(ひめゆり学徒隊18歳)

2.島袋淑子(ひめゆり学徒隊17歳)

3.宮城巳知子(ずいせん学徒隊16歳)

4.稲福マサ(でいご学徒隊16歳)

5.田崎芳子(せきとく学徒隊16歳)

6.崎山麗子(しらうめ学徒隊16歳)

7.中山きく(しらうめ学徒隊16歳)

8.山里和枝(県庁職員18歳)

9.石川栄喜(一中鉄血勤皇隊15歳)

10.安里栄輝(具志頭村仲座の国民学校6年生12歳)

11.伊佐順子(仲順住民で一高女の合格発表を新聞で見たばかりの少女15歳)

12.瑞慶覧長方(大里村の国民学校6年生12歳)

13.松本秀子(野嵩住民21歳)

14.平良啓子(対馬丸から生還した少女10歳)

沖縄陸軍病院(球18803部隊)とは

学徒・住民の沖縄戦100日(日付に沿った証言二次元表)

著者略歴



[担当からのコメント]

本書の中にある証言は、多くの方にとって目を背けたくなるほど生々しいものばかりです。しかし、だからこそ私たちは何とか沖縄戦の真実を伝えようとするそうした証言と向き合わなければなりません。理屈ではなく一人の人間として戦争について考える、そんな時間をぜひ本書と共に過ごしていただければ嬉しく思います。



[著者略歴]

行田稔彦 (こうだとしひこ)



1947年新潟県生まれ。

新潟大学教育学部卒業。

和光小学校・和光鶴川小学校校長。

日本生活教育連盟委員長。



主な著書に『学力を育てる』(旬報社)、『なるほど算数』(大月書店)、『算数教室ふんせん記』(民衆社)、『思春期の迷い旅立ち』 (星林社)、主な編著に『学校ってすてたもんじゃない』 (大月書店)、『明日も学校あるといいな』 (大月書店)、『すてきな今日と出会える学校』(民衆社)、『あっ!こんな教育もあるんだ』(新評論)、『ハイサイ沖縄』 (星林社)、監修に『沖縄に学ぶ子どもたち』(大月書店)

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