心のとらわれからの解放――強迫症状との闘いと、病でも自分らしい幸せを取り戻す生き方

(著) 鶴田英規

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作品詳細

[商品について]
―病という試練によって、私は人生で本当に大切なものに気づいた―
思春期頃に発症し、30年以上にわたって闘い続けてきた強迫症状。重いときは日常生活すべてに強迫行為がつきまとい、廃人同然の状態になったことさえある。それでも「必ず治る」という一筋の光を信じ、薬物療法と森田療法の力を借りながら頑張ってきた日々、本書はその波瀾万丈とも言える体験を通じて気づいたこと、さまざまに思ったことを綴った闘病記である。悩み続けた精神疾患から人生を回復するための、魂の記録。

[目次]
まえがき
第1章 強迫症状体験から得たもの
私の体験
知識より知恵が大切
心のとらわれからの解放
神経症の全治とは
平凡な生活の中に喜びがある
生活リズムを整える
内面的な成長
第2章 精神疾患からのリカバリー
結果だけがすべてではない
人としてのリカバリー
相手の心に寄り添う支援が一番大切
効率性、生産性より大切なもの
コロナ禍は天から与えられた試練
リカバリーは人それぞれでよい
居場所につながれない人への支援が必要
体験共有が癒しになる
病状はあってもリカバリーできる
第3章 今こそ心の時代へ
悩み苦しんでおられる方々へのメッセージ
人として本当の心の豊かさを実感
精神疾患が教えてくれた新世界
第4章 「闘病体験と新しい価値観、及び、当事者の体験学の重要性」
1.はじめに
2.私の闘病体験とピア活動の推進
3.私の闘病体験から開けた新しい価値観
4.専門家と当事者との共創による研究の時代における当事者参画の重要性
5.まとめ
あとがき
著者紹介

[担当からのコメント]
現代の誰もが罹りうる心の病。その回復を妨げているものの大きな要因の一つは、精神疾患を持つ方々への私たちの目なのでしょう。本書には、病という現実とのたうち回りながら向き合った著者の、心との葛藤から見いだされた言葉が記されています。いま現在心の問題に悩む方はもちろん、現代を生きる全ての人にお届けしたい内容になっています。

[著者紹介]
鶴田 英規(つるた・ひでき)

1969年東京生まれ。思春期の頃から強迫症状を発症。何とか受験し、一橋大学商学部を卒業し、当時の第一勧業銀行に就職。その間大学2年の時に、鈴木知準診療所にて入院、森田療法を2カ月経験した。
 一旦は症状が軽減したが、就職後の仕事での激しい心労により、症状が再発し、重度のものとなる。25から26歳時の最悪な頃は、確認強迫行為のため、一人でトイレにも行けずに失禁し、おしめをはいてのたうちまわるというような廃人同然となる。
 それでもあきらめず生き抜き、鈴木診療所から順天堂医院に転院し、点滴による薬物療法に切り替える。すると、最低限の生活水準まで奇跡的に回復し、その後は、現在に至るまで、通院での薬物療法と、日常生活での森田的生活修練との両輪で治療しており、徐々に病状も回復してきている。
 現在は、当事者同士での結婚7年目となり、セルフヘルプグループ「クエスト」の代表として約11年経ち、精神疾患当事者が相互に支えあって、日頃の生きづらさの体験を共有しあうというピア活動を行っている。
 最近では、リカバリー志向の共同意思決定モデルについて、専門の研究員と一緒に協働研究を行ったり、当事者としての思いの講演や著作等の発信活動等、多岐にわたって、様々なピア活動を展開している。
 大好きな歌手は、安全地帯の玉置浩二さん。たまに自分の趣味で、作詩等も手がけている。

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