反骨の村 田中正造勝利の闘い

(著) 山岸一平

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[商品について]
―日本の住民運動の原点が、ここにある―
日本の公害問題の原点と言われる足尾鉱毒事件を、単なる一地域の問題から全国的な社会問題へと発展させた人物として今も語りつがれる田中正造。しかし、足尾銅山の鉱毒防止措置によって流域住民の反対運動が沈静化を見せる中、その後も洪水予防と鉱毒の沈でん池利用を目的とした遊水池計画の反対運動に身を投じて闘い続けたことは、あまり知られていない。本書では、足尾鉱毒事件の知られざる側面ともいえるこの闘いを、「足尾鉱毒」から「谷中村」へと切り替わっていった事件の推移を追いながら、最期まで歩みを共にした村人たちの姿と田中正造の生き方と併せ具に見ていく。「兵役、納税の二大国家義務を負わず」という日本の住民運動史でも画期的な事件に切り込んだ渾身のノンフィクション。


[目次]
献辞――田中正造翁の思い出 6
まえがき 15
第一章――田中正造と勝利の村 19
正造の墓と二人の老人 19
兵役、納税義務の拒否 26
人間、田中正造 36
直訴状全文 48
第二章――鉱毒との闘い 51
足尾鉱毒事件のはじまり 51
第一回の押出しと榎本農商務相の現地視察 57
被害民第一回の大挙請願 70
船頭、平井園蔵の俠気(きようき)と三十一年の押出し 74
川俣事件と利島、川辺両村 88
沸(わ)きあがる世論と学生、インテリの支援 98
第三章――廃村反対運動 109
廃村計画と立ち上がる村民 109
利島村相愛会の結成 124
女性請願団と最後の押出し 137
廃村計画の撤回 151
四年に一度の堤防決潰 162
利島、川辺両村堤防決潰記録 167
第四章――谷中村救援 171
谷中村遊水池案の登場 171
栃木県知事〝謀殺未遂〟事件 180
義捐(ぎえん)人夫隊の派遣 193
谷中廃村、勝利の村と敗北の村 205
正造の死と闘いの跡 221
谷中村買収廃止請願書 231
利島、川辺両村民の利根川流域治水統一の請願 233
あとがき 237
参考文献 242
鉱毒および遊水池反対闘争年表 244
氏の略歴 253

[担当からのコメント]
田中正造の時代や戦後の高度経済成長の時代に公害が大きな問題となった様に、現代の私たちの前には地球温暖化をはじめとする喫緊の課題が立ち塞がっています。その意味では、田中正造の闘いは未だ続いていると言っていいのだろうと思います。私たちは何ができるのか、考え続ける全ての人にお届けしたい一書です。ぜひご一読ください。

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