北の樹海の博物誌――富良野の森に生命(いのち)のドラマを見る

(著) 有澤浩

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作品詳細

[商品について]
――クマゲラのアイヌ名であるチプタチカップカムイという名前の意味は、次のどれでしょうか。
1.音楽の神、2.舟彫る神、3.手袋の神
正解は、本書「クマゲラ(1)」をご覧ください。

駆け出しの若き日に、薄暗いランプの下で身を乗り出して話に聞き入り、そして出会った巨鳥シマフクロウと、雪の降りしきる音のない原生林で25年の時を経て再会した話を綴った「シマフクロウ」、体長が3センチを超え、性質はきわめて凶暴、その毒性も強く、直接人間を死に陥れることも可能なオオスズメバチに襲われた恐怖の体験と、オオスズメバチの巣を襲い全身を刺されながらも平然としているアオダイショウの姿を描いた「オオスズメバチ」、体長18センチたらずと世界のイタチの中でも最も小柄で、土地の人々がコエゾイタチと呼ぶニホンイイズナの森の妖精を思わせる容貌と、その愛らしい表情からは信じられない「殺し屋」の名に恥じぬ獰猛さを垣間見たエピソードを綴った「ニホンイイズナ」など、東京大学農学部の北海道演習林に勤め興味の尽きない体験をしてきた著者が語る、「北の森」の博物誌。

[目次]
序——富良野(ふらの)の森へようこそ
助けなければ!
富良野(ふらの)の森へようこそ
北国の森林散歩
樹海(じゅかい)
冬——厳寒の朝、
エゾシカ(1)
エゾシカ(2)
シマフクロウ
ベニヒワ
凍裂
ダイヤモンドダスト
エゾアカゲラ
カワガラス
エゾフクロウ
ユキウサギ
クロテン
ホシガラス
テッポウムシ
春——森の妖精
森の学校
ミソサザイ
カタクリ
ヒメギフチョウ
クマゲラ(1)
ヒグマ(1)
夏——人跡未踏の原生林で
オオスズメバチ
クマゲラ(2)
クマゲラ(3)
倒木更新(とうぼくこうしん)
エゾコゲラ
オオコノハズク
キタキツネ
エゾモモンガ
オオジシギ
寄生蜂
シロスジシャチホコ
エゾライチョウ(1)
エゾライチョウ(2)
ヨタカ
秋——森の恵み
ポプラ
シマリス
エゾリス
エゾヤチネズミ
マイタケ
ニホンイイズナ
エゾタヌキ
ヒグマ(2)
ナキウサギ
雪虫
付——どろ亀さんこと
北の森で出会った先生たち
あとがき
著者略歴

[出版社からのコメント]
豊かな森に分け入れば、そこには様々な生命との「遭遇」が待ち受けています。ハチやヘビ、クマなど恐ろしいものもいれば、可憐な姿のチョウや花、森の恵みであるキノコに出会うこともあります。地球という惑星の、森というひとつの環境で循環する生命の営みを、ぜひ本書を通じてじっくりと楽しんでいただければ嬉しく思います。

[著者プロフィール]
有澤 浩(ありさわ・ひろし)
1936年、北海道富良野生まれ。1955年、北海道立富良野高校卒、東京大学農学部附属北海道演習林・森林動物研究室勤務。同助手を経て、1997年停年退官。現在、森林生物研究所主宰。日本自然保護協会、北海道自然保護協会、日本林学会等会員。
著書に、『北国の森の博物誌』(河出書房新社)、『森の動物』(北海道新聞社)、『北の森の動物誌』(朝日新聞社)、『クマゲラの森から』(朝日新聞社)、子供向け絵本として、『えぞまつじいさん』(共著、福武書店)、『ゆきあらし』(共著、福武書店)、『くまげら』(共著、福音館書店)などがある。

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