優劣の花々ー療養所で、ハンセン病患者として生きるということ
(著) 穂高茜
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[商品について]
―悪意という病は、ハンセン病よりも恐ろしいのかも知れない―
昭和41年9月、29歳のときに富士山の麓にある国立駿河療養所に入所して以来、そこで50年以上の歳月を過ごしてきた。療養所の生活は基本的に快適ではあるが、ハンセン病患者として世間から隔絶されて生きる日々は、濃密な人間関係の中で入所者の心にさまざまな澱を蓄積させてゆく。怒り、恨み、妬み、中傷。そんな人の心に巣食う悪意を、わたしは逃げ場のない閉鎖環境で嫌というほど見てきた。ハンセン病との闘いも終わりに近づいたいま、沈黙し耐えてきたそれらの悪意を語ろうと思う。長年わたしを苦しめてきた4人の女性と、わたしの嘘偽りのない思いをーー。、忘れてはならないハンセン病問題を世に問い、療養所で生きることの現実を赤裸々に綴った告白記。
[目次]
プロローグ
第一章 「裂けた心」文野ソメ
第二章 「うどの大木」榊田ギンコ
第三章 「鈍った観音」北海久奈
第四章 「浅はか者の底力」岡崎雪乃
著者プロフィール
[担当からのコメント]
ハンセン病患者の苦しみは、病気の進行や病気に起因する差別によるものばかりではないと思い知らされるのが本書です。読み進めていると、ハンセン病問題だけでなく、人間や心についても考えさせられます。ぜひ多くの方に手に取っていただきたい一書です。
[著者プロフィール]
穂高 茜(ほだか・あかね)
昭和12年6月20日生まれ。
青森県弘前市出身
3歳にて発病(小学校のみ卒業)。
昭和41年9月国立駿河療養所入所。
静岡県御殿場市在住。
白鳥玲子名での著書に、
平成13年6月『追憶の記』
平成20年8月『あじさい 追憶の記』
平成28年4月『木もれ日』
がある。
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