マーシャルの奇蹟 : マーシャルの大旱魃を救った日本人たち
(著) 三枝篤夫
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1997年12月初めに直撃した巨大台風「パカ」が去ったあと、マーシャル諸島には雨が降らない日々が続いた。太平洋の小国であるマーシャル諸島は飲料水の供給を雨水に頼っており、マーシャルと協定を結ぶアメリカの援助も遅れている現状で、このまま旱魃の状態が続くということは飲料水が枯渇することを意味していた。このままでは島民に死者が出る―。当時、外務省の職員としてマーシャル諸島に赴任していた著者は、日本政府と掛け合い、民間企業と協力して早期の給水体制確立のために迅速に行動した。限られた予算の中で資金を捻出した外務省の各担当者、赤字覚悟で海水淡水化装置を提供した日本の企業、本書は、各方面からの力強い協力を得ながら、国難ともいえる危機からマーシャル諸島を救った人々の記録である。世界の最高水準にある日本の技術とサービスが、国際社会で果たしうる役割について考える上で、示唆に富む一書となっている。
[目次]
はじめに 第一章 恐怖の旱魃の始まり ■車地獄の声 ■天罰の恐怖 第二章 地獄からの脱出行 ■人命救助も外交のうち ■細絶体絶命 ■自分の国との外交交渉 ■日本人のプライド ■お釈迦様と観音菩薩の視察 第三章 日本の技術・勤労精神は世界一 ■日本よ、ありがとう ■アメリカ人の困惑 ■日米の技術・勤労精神の開き 第四章 二十一世紀は日本の時代 ■日本ショック ■新しい世界秩序の成立 ■太平洋は日本の隣人 [出版社からのコメント] 「援助」には様々な形がありますが、本書では、資金を提供して終わりという援助ではなく、「困っている人が望む」形での援助が綴られています。最高の品質を誇る日本の技術とサービスが適切に提供されることによって良い結果がもたらされたという点で、本書は「人材」と「理念」の重要さを改めて感じさせる内容になっています。政治、経済、社会の様々な分野で、日本の技術とサービスが果たしうる役割について、見識を深める一助としていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
三枝 篤夫(さえぐさ・あつお)
1940年生まれ 外務省入省 本省はアメリカ局安全保障課、北米第一課、情報調査局調査室等に勤務 在外はシンガポール日本大使館、ワシントン日本大使館、ネパール大使館、ロサンゼルス日本総領事館、マーシャル日本大使館(初代大使(臨代))ケアンズ外務省駐在官事務所所長を経て、現在インド日本大使館領事部長 著書 『信長降臨』、『カリフォルニア・ショック』、『外交官が書いた馬鹿にされない英会話』、『外交官が書いた小学生の英会話』『外交官のアメリカレッスン』(以上、蝸牛新社刊)『世の中これからどうなる』
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