「教師」は死なない―ブラック化する職場で民主主義の誇りを失わないために
(著) 三島俊英
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―その「語り」の先に、教育の未来がある―
2006年の教育基本法改正が1つのターニングポイントとなり、行政による教育への介入の度合が増している。教育現場はブラック化の一途を辿り、教師は自分の仕事に誇りを持てなくなり、教師を志す人も減り続けている。本書は、長く教育の現場に携わり、ひとりの教師としてこの状況を危惧する著者が、折に触れ語ってきた言葉を集め振り返りながら、教育のあるべき姿を語った作品である。管理化・ブラック化する教育現場で、教師はいかにして自主性と誇りを保ち続けるのか。未来の教師達に贈る言葉がここにある。
[目次]
はじめに
第1章 人生というドラマの主役を熱演せよ
◆宇土高校3年1組クラス卒業式挨拶
第2章 「いじめなんかぶっ飛ばせ」 ~人権の共存をめざして~
◆宇土高校人権学習日での講話
第3章 魂において頑固 心において柔軟 精神において活発であれ
◆宇土高校3年7組クラス卒業式挨拶
第4章 生徒が学習意欲をなくすとき
◆第二高校PTA総会 保護者への話
第5章 教育に忖度(そんたく)はいらない
第二高校職員向け転任の挨拶
第6章 オウムの中の私たち
第二高校生徒向け転任の挨拶
第7章 「努力」を強調しすぎる落とし穴
◆湧心館高校通信制4年A組クラス卒業式挨拶
第8章 管理強化がまねく学校のブラック化
◆松橋高校送別会の幹事長挨拶
第9章 学ぶことは自分の世界を広げること
◆松橋高校生徒向け転任の挨拶
第10章 高校生活と読書
◆熊本北高校新入生宿泊研修での図書部長講話
第11章 「社会科の学力」とは何かを考える
◆熊本県地歴・公民科研究会総会での副会長退任の挨拶
第12章 「事の軽重を知る」 ~先輩教師としての伝言~
◆宇土高校職員向け退任の挨拶
第13章 日本国憲法の魂を教えたい
◆宇土高校生徒向け退任の挨拶
第14章 先生はどうして、教師をしているのですか
◆信愛女学院高校での朝の話
第15章 来年は与えられてる選挙権 進路選択も出来ぬ私に
◆信愛女学院高校生徒向け退任の挨拶
第16章 人間となるため、人間であるため、 しかも思いやり深い人間であるために勉強せよ
◆信愛女学院高校職員向け退任の挨拶
おわりに
引用・参考文献一覧
ウェブサイトより
著者略歴
[出版社からのコメント]
「修学」という言葉で言われたように、かつて教育は「人格の完成」を目指すうえで貴重な場でしたが、現在の教育はそうした場からどんどんと離れて行っている様に思います。そんな状況でも人間の教育を諦めない、本書にはそんな思いが詰まっています。これから教師を目指そうという方、いま現在教育の現場で奮闘している方、そして子どもを持つ全ての方に、ぜひ本書をご覧いただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
三島 俊英(ミシマ・トシヒデ)
1950年 熊本県天草郡苓北町富岡に生まれる。
1968年 済々黌高等学校卒業
1973年 九州大学法学部卒業
1973年 民間企業に勤務
1974年~2011年 熊本県立高等学校(天草農業・宇土・第二・湧心館通信制・松橋・熊本北・宇土)に社会科教員として勤務。
2011年~2016年 熊本信愛女学院高等学校に勤務。
2017年 熊本学園大学経済学部経済学科研究生として修学。
1998年~2010年 熊本県高等学校地歴・公民科研究会副会長。
主な論文に「社会認識の契機となる自己認識を」「高校『現代社会』で多重債務問題をどう教えるか―私の提言―」「高校生のための金融リテラシー ~公民科でどう教えるか~」がある。
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