弥生の銅鐸の祭りは縄文の祭りの継承か:銅鐸埋納地の調査から日本人の信仰心の起源を探る

(著) 平沢栄作

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作品詳細

[商品について]
――ほとんどの発掘例で銅鐸は共通の方式で埋納されていますが、どの様に埋納されていたでしょうか。
1.垂直に置く、2.水平に置く、3.斜めに置く
正解は、本書序章の「1.銅鐸の起源と用途」をご覧ください。

現在の通説では、弥生時代の祭りの代表とされる「銅鐸祭祀」(銅鐸を祭器とする祭り)は大陸由来の農耕の祭りであり、縄文時代の信仰や祭りは失われたとされている。しかし、今でも日本人の多くが日の出を拝み、自然をご神体とする神社に参拝することなどから、このような現在の日本人の基層信仰と縄文の信仰はつながっているのではないか――。本書は、そうした視点から銅鐸祭祀は縄文時代の信仰を継承した祭りだったのではないかという疑問を検証すべく、銅鐸祭祀の起源と銅鐸埋納遺跡の調査・研究の成果をまとめた作品である。日本人の心の起源に迫る一書として、考古学に携わっている方はもちろん、一般の方にとっても、示唆に富む内容となっている。

[目次]
まえがき “趣味の考古学が高じて”
序章 調査開始の経緯、調査の内容と方法
1.銅鐸の起源と用途
2.銅鐸の祭り(銅鐸祭祀)に関する諸説
3.銅鐸祭祀に関する諸説に対しての疑問と筆者の私見(仮説)
4.銅鐸埋納地の調査:内容と方法
第1章 畿内地域
1.序
2.調査内容
3.調査方法
4.調査結果
5.考察
5-1 弥生文化流入直前の畿内地域の状況:縄文祭祀の盛況
5-2 弥生前期、畿内の縄文文化と弥生文化の交わり状況
5-3 弥生の祭祀(銅鐸祭祀)の始まりと変容
5-4 現在までつながる“神山を祀る縄文の祖霊祭祀”
5-5 銅鐸埋納の背景と銅鐸祭祀の終わり
6.まとめ
添付資料
写真 銅鐸埋納の対象神山の写真 地域:畿内
表Ⅰ 銅鐸埋納及び青銅器鋳型出土遺跡一覧 地域:畿内
表Ⅱ 銅鐸埋納地とその関連遺跡
表Ⅲ 銅鐸埋納と関係が推定される神社
第2章 山陰・山陽道地域
1.序
2.調査内容
3.調査方法
4.調査結果
5.考察
5-1 銅鐸埋納対象神山及び神山を祭る古社(神社)又は山岳信仰の寺社の存在
5-2 山陰・山陽道地域の縄文祭祀遺物・遺構の分布
5-3 縄文-弥生移行期の集落分布、弥生文化伝播経路
5-4 銅鐸(青銅器)埋納地の分布と青銅器移動経路
5-5 出雲平野における銅鐸と武器形青銅器の埋納地の分布
6.まとめ
添付資料
写真 銅鐸埋納の対象神山の写真 地域:山陰・山陽道
表Ⅰ 銅鐸埋納及び青銅器鋳型出土遺跡一覧 地域:山陰・山陽道
表Ⅱ 銅鐸埋納地とその関連遺跡
表Ⅲ 銅鐸埋納と関係が推定される神社
第3章 東海道・東山道地域
1.序
2.調査内容
3.調査方法
4.調査結果
5.考察
5-1 銅鐸祭祀は神山の祖霊祭祀で、神道祭祀、山岳信仰に継承されたことの確認
5-2 東海道・東山道地域の縄文祭祀遺物・遺構の分布
5-3 水田稲作弥生文化の伝播と集落遺跡の分布
5-4 弥生祭祀の分布と主要交通路
5-5 銅鐸祭祀が縄文由来の神山の祖霊祭祀であり、神社神道祭祀として古墳時代以降に継承されていることを示す具体例の提示
6.まとめ
添付資料
写真 銅鐸埋納の対象神山の写真 地域:東海道・東山道地
表Ⅰ 銅鐸埋納及び青銅器鋳型出土遺跡一覧 地域:
表Ⅱ 銅鐸埋納地とその関連遺跡
表Ⅲ 銅鐸埋納と関係が推定される神社
第4章 北陸道地域
1.序
2.調査内容
3.調査方法
4.調査結果
5.考察
5-1 銅鐸出土(埋納)地と埋納対象神山、関係神社
5-2 東北・北陸系縄文文化の伝播と文化の特色
5-3 弥生文化の伝播
5-4 北陸道地域の銅鐸・銅鐸関連遺物出土地と古代主要道
5-5 野洲川流域の弥生文化伝播から弥生の“くに”の成立まで
6.まとめ
添付資料
写真 銅鐸埋納の対象神山の写真 地域:北陸道
表Ⅰ 銅鐸埋納及び青銅器鋳型出土遺跡一覧 地域:
表Ⅱ 銅鐸埋納地とその関連遺跡
表Ⅲ 銅鐸埋納と関係が推定される神社
第5章 南海道地域
1.序
2.調査内容
3.調査方法
4.調査結果
5.考察
5-1 銅鐸出土(埋納)地と埋納対象神山、埋納母村、関係神社について
5-2 東日本系(東北・北陸系、関東系)縄文文化の南海道地域への伝播
5-3 縄文後・晩期の石器用石材と水銀朱の交易経路と分布圏
5-4 弥生(水田稲作)文化の伝播と弥生前期遺跡の分布
5-5 縄文晩期-弥生前期の結晶片岩製石棒と有柄式磨製石剣の分布域
5-6 銅鐸分布域と銅矛分布域の対比
5-7 朱塗り銅鐸、弥生時代の水銀朱の分布と銅鐸祭祀圏
5-8 南海道地域の銅鐸埋納地と古代主要交通・交易路
6 まとめ
添付資料
写真 銅鐸埋納の対象神山の写真 地域:南海道地域
表Ⅰ 銅鐸埋納及び青銅器鋳型出土遺跡一覧 地域:
表Ⅱ 銅鐸埋納地とその関連遺跡
表Ⅲ 銅鐸埋納と関係が推定される神社
終章 調査結果から見えてくる弥生時代
1.銅鐸埋納地の弥生時代直前の状況:縄文祭祀の盛況
2.水田稲作伝播経路と遠賀川系弥生集落の分布
3.銅鐸分布域と銅矛分布域の形成の背景、銅鐸祭祀の起源の考証
4.新式(見る)銅鐸出土地の分布、銅鐸祭祀の終わりと列島の統一化
5.銅鐸出土地と古代(律令時代)主要交通路の関連性
著者略歴

[出版社からのコメント]
シュリーマンの例をひくまでもなく、土の中に秘められた遺物から遥か昔の時代に思いを馳せることは、考古学という学問がどこか夢やロマンを感じさせることの一因ではないかと思います。日本にもまだまだ多くある土の中に秘められたロマンを、本書を通じてぜひ多くの方に楽しんでいただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
平沢 栄作(ひらさわ・えいさく)

1943年 新潟県小千谷市生まれ
1966年 京都大学工学部合成化学科卒業
1966~2003年
三井化学(株)に勤務(三井・デュポンポリケミカル(株)、藤森工業(株)出向)
研究職として高分子の研究、テクニカルセンター所長など歴任
この間、岐阜大学非常勤講師(客員教授)兼任(1988~1989)
京都大学工学博士(1990)
高分子学会 出版・高分子論文集編集委員(1991~1993)
高分子学会 「おもしろ高分子展」実行委員(1999~2002)
主な著書『アイオノマー・イオン性高分子材料』CMC出版2003年
共著  『分子コーティング』近代編集社1985年
    『アイオノマーの物性と工業的応用』IPC出版部1988年
    『実用プラスチック事典』(株)産業調査会1993年
編集  『ニューポリマーサイエンス』講談社サイエンティフィク1993年
    『ぼくもノーベル賞をとるぞ!』朝日新聞社2001年
2003年5月 三井化学定年退職
 以後、考古学、陶芸、ボランティア活動を中心に趣味の生活を楽しんでいる。

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