改訂版 化石燃料ゼロハウス 風の学舎 発 持続可能な社会をめざして

(著) 平澤和人

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作品詳細

[商品について]
―この道に先はあるのか、今こそ考えなければならない―
現代の日本社会は、「持続可能な社会」という観点から多くの問題に直面している。その根本には近代合理主義に基づく西欧化を至上とし、食料・資源・エネルギーの大部分を海外に依存しながらも、大量消費・大量廃棄を続ける社会経済構造と巨大技術信仰がある。本書は、「環境文化都市」を掲げ、持続可能な社会を目指しまちづくりを進めてきた長野県飯田市で環境行政を担当し、自然エネルギーのみで運営するエコハウス「風の学舎」をはじめとして、NPOの立ち上げから今日の活動まで関わってきた著者が、その思いや経過を紹介すると共に、温暖化、エネルギー、廃棄物などの環境問題の根本的な要因、それらを克服するための理念や基本的な考え方、それに基づく市民、事業者、行政それぞれの取り組み方向を自身の活動や先進事例を交え提示し、日本がこれから目指すべき持続可能な社会についてメッセージを記した作品である。地域資源の活用を置き去りにした根無し草のような暮らしや経済活動から脱却し、人間性の回復のための経済活動の在り方を問い直す一書として、示唆に富む内容となっている。

[目次]
はじめに
風の学舎の建築
風の学舎前史
1992年 持続可能な開発
1998年 自分たちの地域は自分たちの手で
2001年 活用されない森林資源
市民活動のスタート
2002年 いいだ自然エネルギーネットワーク山法師設立
新型風力発電導入調査
2003年 建設に向けての様々な準備
NPOの設立
風の学舎の着工から完成まで
2005年 上棟以降手作りによる作業開始
壁は伝統工法で
2006年 別棟工事
内装工事と給排水工事
竈の制作
雨水利用タンクの設置
2007年 PR作戦
トイレ・風呂・デッキづくり
「ソフト事業の開始」
2008年 竣工式
退職そして事務局長専任によるソフト事業展開へ
風の学舎のコンセプトと活動の柱
炭焼き竈の製作
ソフト事業の展開
2009年 南信州フォーラム
2010年 体験学習の受け入れ
2011年 3.11から学んだ人間の無力
2012年 手前味噌作り
2013年 開設5年目を迎えた風の学舎
2014年 “森集人”プロジェクト
2015年 木の駅プロジェクトスタート
2016年 「木の駅ひさかた」の整備
茶道のための炭の提供
2017年 木の駅ひさかたのオーブン
2018年 風の学舎開設10周年
環境に配慮した運営
拠点施設のメリット・デメリットと後継
「風の学舎からのメッセージ~持続可能な社会を目指して」
活動地域の現状
エネルギー自立型社会を目指す
脱原発を推進する国々
2050年再生可能エネルギーで100%調達可能
省エネ・省資源が最重要~まちもくらしも原点から創り直す
家庭のエネルギー利用形態を変える
風の学舎の自然エネルギー
業務(商業、サービス業)見直しによる省エネ推進
省エネ型のまちづくり(計画から見直す)
「フライブルクのまちづくり」
「イギリス郊外・・信号機のない交差点」
「韓国ソウル市内の清渓川(チョンゲチョン)の復元」
ゴミの削減
全ては日々の積み重ね(集積)の結果……ベクトルを変えるには
深刻化する地球温暖化……パリ協定は達成できるのか?
京都議定書からパリ協定へ
京都議定書における各国の目標達成状況
パリ協定(Paris Agreement)
主な国の削減目標
IPCC1.5℃特別報告書
1.5℃以下に抑制のためには毎年7.6%のGHG削減が必要(UNEP報告)
気候変動(Climate Change)から気候危機(Climate Crisis)へ
各国の長期目標
日本政府削減目標変更せず
パリ協定は達成できるのか
地球温暖化問題に対する日本の姿勢
省エネ型生活への一歩
住の地産地建(地域の材と技術で建てる)が環境を守り地域を甦らす
温暖化防止と家づくり
自然の恵を最大限取り入れる
地域材「木材、土、石、竹など」を利用し建てる
家の向き、屋根、間取りを工夫する
居住者自身で対応可能な範囲も忘れない
エネルギーの利用形態(光、熱、動力)に応じて最適なエネルギー源を選択
省エネ機器の選択
全館冷暖房は無駄そのもの
処理困難なゴミを大量につくり続ける新建材住宅
地域の資源と工法で建てる家は、地域雇用と伝統技術継承への最大貢献
無機質化する家やまちが健康を奪い精神を蝕む
地域の資源と工法で建てる家は、まちの矜持を保ち人を育てる
<コラム>これからの家づくりのすすめ
「無垢の木とカルシウム(漆喰など)で建てる」
(1)どこに土地を求めるか。
(2)伝統民家の暮らしから学ぶ
(3)暮らす人間側の分別と適応
(4)施主自身でできることがある。
(5)土や緑と縁を切らない
(6)自然エネルギーを最大限活用する
(7)建築資材は周辺地域で調達
都市農村交流・連携で持続可能な社会を築く
南信州フォーラム(都市農村交流事業)
消費者の選択が社会を変える
エネルギーの地産地消~消費者から生産者へ~
食糧・資源、の購入や建築などにおいて地場産品(少なくとも国内製品)を選択
①食材は地産地消、旬産旬消を基本に選択
②資材や製品は他に代替できるモノがあれば、プラスチックやアルミを使用しない
省エネ・省資源に取り組む
目指すは「森林文化社会」
森林文化社会のイメージ
少なくは得る、多くは惑う、本来、最も持続可能な地域
日本の良き精神文化に改めて学ぶ
美しい郷土を未来へ
巻末資料
年次活動経過
おわりに
風の学舎の運営後継者募集と農林業等で身を立てたいとするI・Uターンの若者支援
参考文献
著者略歴

[出版社からのコメント]
SDGsが注目される今、持続可能性について多くの人が意識するようになりましたが、私たちの祖先が作り上げてきた生活がパーマカルチャーの手本となったように、「持続可能な社会」へのヒントは私たちの歴史や身近なところにあるのではないかと思います。本書を通じて、多くの方に実効性のある未来について考える機会を持っていただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
平澤 和人(ひらさわ・かずと)
  
職業 農林業
経歴
1952年 飯田市生まれ
1975年 静岡大学工学部卒
1975年 飯田市役所入庁
2002年 飯田市企画課長
2002年 市民団体「いいだ自然エネルギーネット山法師」を立ち上げ
2005年 同団体をNPO法人化し事務局長就任現在に至る
2008年 飯田市議会事務局長を経て早期退職
2012年 南信州自然エネルギー普及協議会会長就任
2018年 南信州自然エネルギー普及協議会理事
現在に至る
これまでに長野県の環境審議会や環境計画策定専門委員などの公職を務める。

資格
・環境カウンセラー「環境省登録」
・公害防止管理者「水質一種、騒音」

著作
・いのち、環境、食を市民の手で(共著 長野大学)
・地産地消とスローライフで子供達の生きる力を育む(子供白書2012子供をまもる会偏)
・環境文化都市の歩みと今後の課題(信濃史学会発刊信濃第57巻第7号)
・地域自治政府構想(日本計画行政学会機関誌「計画行政」26巻4号) 他
・風の学舎発持続可能な社会をめざして(オフィスM 2014)
・暮らしに生かす再生可能エネルギー入門(共著 家の光協会 2014)
      
音楽活動(Jazz & Bossa)
・Band「Arcadia」代表としてライブハウスなどで演奏活動中
・作曲、編曲、ギター担当

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