[戯曲]悲しみの河原――疑うものには心からなる愛の歌を
(著) 小牟禮昭憲
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―糸を断ち切り、望む糸に結び変えたつもりが、実はそれは糸ではなく限りなく広い河だったとしたら―
大学時代の同級生で、学生結婚をして夫婦となった加賀と妻の由美。結婚から5年が経ったある日、大学の同窓会に顔を出した加賀の帰りを待っていた由美のもとに、加賀が焼死体となって発見されたとの連絡が入る。同窓会の帰り道でチンピラ風の男たちに絡まれ、ナイフで心臓を刺されたことが直接の死因だった。葬儀を済ませ、長い出張に出たと思ってこれからも加賀と一緒に生きて行く決意をする由美。しかし加賀は生きていた。別の名前で、別の仕事に就きながら――。
自分とは何か。家族とは、愛とは何か。仮面の力を借りて運命に抗おうとした男は、喪失の果てに何を見るのか。現代を生きる人間の心の闇をするどく描いた戯曲。
[目次]
悲しみの河原
「悲しみの河原」解題
著者略歴
[出版社からのコメント]
仮面を被ることで変わることができる――そうした仮面を心のどこかで求めている人は多いのかも知れません。他者とのかかわりの中でしかその仮面が現れることがないのだとすれば、その仮面こそ現代の社会を映す鏡と言えるのではないでしょうか。本書の物語を楽しみながら、自分の中にある仮面に目を向ける、そんな時間を過ごしていただければ嬉しく思います。
【著者略歴】
小牟禮 昭憲(こむれ・あきのり)
1950年、(昭和)鹿児島県生まれ。小学校・中学校・高等学校と地元で過ごす。
1968年、日本大学芸術学部入学、1973年卒業。この間同級生の佐藤万知子と結婚、本格的に執筆活動を始める。
1980年、二人して白梅学園短期大学心理技術科に入学、心理学を学ぶ。1982年卒業と同時に万知子の故郷である福島県福島市に転居。
2000年、「群青の彼方」(終わりのない旅)を発表、2002年「続・群青の彼方」(続・終わりのない旅)を発表。
2015年、万知子死去。現在に至る。
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