コロー「帽子をかぶった少年」事件と国際捜査共助法――名画盗難が教える国民の権利をおびやかす法と行政の実態

(著) 河田毅

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作品詳細

[商品について]
――外国の刑事事件の捜査について互いに助け合うことを定めた「国際捜査共助法」。その制定の直接の契機となった事件は、次のどれでしょうか。
1.よど号ハイジャック事件、2.ロッキード事件・ダグラス・グラマン事件、3.地下鉄サリン事件
正解は、本書第5章の「1 立法趣旨」をご覧ください。
日本には、貿易取引によって購入した商品が国家権力により差し押さえられ、その所有権さえも奪われかねない「国際捜査共助法」という法律があることをご存知だろうか。本書は、行政の裁量権の濫用や法律の適用に関わる問題など、この法律に潜む危険性を、コローの名画「帽子をかぶった少年」の盗難事件を通じて明らかにしようとする作品である。官僚行政の弊害と民主行政のある方を考えるうえで、示唆に富む内容となっている。

[目次]
はしがき
第一章 盗難名画の波紋
第二章 名画盗難事件の背景
1 絵画ブームの到来
2 コロー名画盗難事件
3 盗難名画の所在
第三章 盗難名画の差押え
1 差押えの状況
2 差押えの必要性
3 差押目的の真相
第四章 盗難名画の所有権
1 絵画取引と盗難
2 国際取引の準拠法
第五章 国際捜査共助
1 立法趣旨
2 共助事務の開始
3 共助のための強制処分
4 準抗告の決定
5 第三者の所有権保護
6 フランス捜査当局への土産の狙い
第六章 抵抗方法の模索
1 仮還付請求の申立
2 準抗告の申立
3 解決策の協議
4 絵画贈呈式の開催
第七章 盗難名画事件の教訓
1 国際捜査共助における行政裁量
2 形骸化した令状審査
3 行政改革の必要性
4 オンブズマン制度と国際捜査共助法
あとがき
著者略歴

[出版社からのコメント]
行政という巨大な組織は、日本という国を運営し私たちの生活を維持するために必要不可欠なものですが、それだけにその運用や権限濫用から生じる弊害は、他人事ではない重大さを持っていると思います。本書を通じて一人でも多くの方に、民主行政のあり方について考える機会を持っていただければ嬉しく思います。

【著者略歴】
河田毅(かわた・つよし)

大阪府立市岡高校、大阪市立大学法学部卒業後
昭和42年 大阪市立大学大学院法学研究科修了
      法学修士(行政学専攻)
昭和44年 司法修習終了後、大阪弁護士会に登録
      現在弁護士

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