隣人たちのニッポン: 忍び寄る移民社会
(著) 滝上広水
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「ある日突然、隣人となった外国人たちを、私自身を含め、日本人はどのように受け止め接していこうとしているのか。かつてない大量の外国人流入がもたらす波紋を私なりの視点でとらえてみたいと思った」(あとがき)
大量の外国人労働者の流入に伴い、様々な問題が噴出した九〇年代初頭。ひとりの中国人留学生が、アパートの隣室の日本人に刺され、重傷を負った。「傷害」か「殺人未遂」か。事件処理をめぐり浮かび上がる捜査当局への疑念。
言葉も文化も違う、「異質」な人々に対する戸惑いや不安は、一般市民ばかりでなく、司法当局にも影を落とし、無意識のうちにも入り込んだ予断や偏見が、被害者の中国人留学生に深い傷を残した。
事件の真相を追う取材から見えてきた、在日外国人、外国人労働者を取り巻く厳しい環境。深まる「内なる国際化」。「移民社会」が忍び寄る21世紀の日本の姿に鋭く迫ったドキュメンタリー。
外国人労働者の受け入れ拡大に踏み切った令和元年。今こそ考えたい、「隣人」としての外国人といかに共生していくべきか。
【著者プロフィール】
滝上 広水(たきがみ・ひろみ)
1949年生まれ。ジャーナリスト。元共同通信記者。早稲田大学文学部(社会学)卒業。共同通信では奈良、神戸支局、大阪支社社会部を経て東京本社。本社・国際局海外部で国際・国内ニュースを世界各国に発信する英文記者。翻訳書にカンボジア紛争の背景を描いた「ブラザー・エネミー」(共訳 めこん)、人類の歴史をグローバルな視点から読み解いた「グロ ーバリゼーション 人類5万年のドラマ」(共訳 NTT出版)など。
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