夢船
(著) 峰岸順子
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ー若い青年時代に、広洋とした海の世界を自分の中に持ちたいと思っていました。
年月を経てもなお、自分自身に求め希んでいるものは、広く深い海の世界です。ー(本文より)
多くの人に出会い、心の琴線に触れ、見聞を深め、大いなる美の世界に浸ること。
それはさまざま幸福と苦悩に満ち溢れた経験であって、まさに自分の中に広洋とした海の世界を作り出すひとつの手立てです。
著者・峰岸順子氏は、短歌というものは、ことばで心情を描いた、1冊の「らくがき帖」のようなもの、と表現します。
季節や時代を見送り続けることは、生きていくうえで避けがたい通過儀礼ですが、毎年様変わりする新鮮な情景や感動を、
見出すことで、その移ろいを快く迎えることができるのです。
ー秋澄みの空を片寄せ鱗雲
群れて巨大な魚となりぬー(本文より)
峰岸順子氏にとって、短歌とは生きてきた証。
すべての景色を言葉で彩ることで、その人生も色濃く彩ることが出来るのです。
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