真間の里

(著) 西川日惠

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作品詳細

「真間の井」のある亀井院住職の手になる地域案内書。版を重ねるたびに内容が増補。全編にわたって住職ならではの叙述がなされる。
(市川市役所HPより抜粋 / http://www.city.ichikawa.lg.jp/cul01/1521000027.html)

かつしかの真間の手児奈と聞けば、たれも、かなしく美わしい伝説のなかの可憐なおとめを想う。これは、関東に住むわたくしたちばかりでなく、日本中のたれもに通じることと言えよう。
 まことに、万葉集をはじめ国文学の古典に伝えられるかなしく美わしい物語のなかの可憐なおとめの名が、真間の手児奈である。
 ただしかし、近来では、そのかなしく美わしい物語も、その真間の手児奈という言葉の語呂がわたくしたちの耳に、相かわらず、あえかにさわやかに聞かれるほどには、物語そのもののなかみは割合に知られなくなって来ているのではないかと思われる。
 この伝説にゆかりの深い亀井院の大僧都西川智泰師が、その深い郷土愛と豊かな詩情とで、ここに、そのかつしかの真間の手児奈の故事とそれのゆかり深い真間山周辺の情況とを極めてくわしく『真間の里』と題する一書に書きあげられた。
 これによってわたくしたちは、改めて、真間の手児奈のかなしくも美わしい可憐な伝説を新鮮に知ることができるとともに、また名高い真間山の諸寺とその周辺のくわしい歴史や近況を知ることができる。
 たまたまわたくしは、智泰師と平素昵懇にある関係で、人一倍この書の成るを慶祝し、あえて序詞をおくり、そのよろこびの意を表する次第である。

早稲田大学名誉教授 文学博士 原田 實

著者略歴

西川智奉(日恵)

昭和5年千葉県市川市真間「亀井院」に西川恵雄の長男として生まれる。亀井院は万葉の手児奈、白秋ゆかりの古刹。昭和27年立正大学卒。在学中河井酔茗、谷馨の門に入り詩歌を学ぶ。日本私立中学高等学校連合会勤務。日蓮宗千葉県北部宗務所長、日蓮宗関東教区長等を歴任。平成3年日蓮宗一級法功章受章。現在、亀井院住職。僧正。日蓮宗監査役。千葉県仏教会常任理事。千葉県宗教連盟理事。市川市仏教連合会長。市川市真間地区自治会連合会長。市川市真間四丁目自治会長。新アララギ会員。

著書『愁怨』、『真間の里』、『手児奈』、『雅子』、版画挿し絵入り『真間の手児奈』、『日本短編小説叢書・西川日恵集』ほか。

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