住職力: 天台教学の実践論
(著) 渡辺明照
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―釈迦の教えの1つである「四摂法」(人々を引きつけ引き寄せて仏道に入らせる4つの方法)は、「愛語」「利行」「同事」とあと1つは以下のどれ?
1.帰依 2.祈祷 3.布施
正解は、本書「第三章 僧侶の品格」をご覧ください。
現代仏教が葬式仏教と揶揄されるようになって久しい。形式ばかりに関心が向き、その内奥にある各宗派の教学は軽んじられるようになった。一方では原理主義と世俗化の対立が先鋭化する。その現状を憂えた筆者が、本書で「住職としての気概」を示すべく、自身が住職である天台宗の教学を、具体的な実践の相の下で捉え返す——。当世のお寺事情から、デューイ教育論から見る宗教教育のあり方まで、話題は多岐に渡る。比較思想にも明るい天台宗住職が現代に問う「中道」の書。
[目次]
序
第一部 僧侶の品格——当世お寺事情
第一章 住職学——葬式法事の実践学
第二章 現代社会における仏教の役割——葬儀の意義と意味
第三章 僧侶の品格——仏教の理念は人々を導けるか
第四章 どうして故人を成仏させることができるのか——天台常用経本を元に
第五章 戒名の力
第六章 自死について——四摂事と法華経をもとにしての提言
第二部 教学と現場の間——より深くより広くより密に
第一章 先祖について——観業相境の観点から
第二章 霊魂観への視座——天台僧侶としての見方
第三章 樹木葬や散骨の問題に応える パラダイム・シフト論としての四教(蔵・通・別・円)
第四章「非道を行ずれば仏道に通達す」考——天台性悪論の拠点としての維摩説 悪論への提言
第五章 魔事、不幸な偶然的出来事について——事故に遭うのは偶然か
第三部 宗教と道徳
第一章 デューイ宗教論再考——デューイへの疑義を通して
第二章 宗教教育の可能性——デューイ宗教論を導きとして
あとがき
[出版社からのコメント]
本書には著者が各所で発表した論文などが収録されているため、仏教に詳しくない一般人にとっては難しい話も多いかもしれません。しかし中には「お葬式の意義」や「戒名作成の意図と心得」など、馴染みがあり興味深い話題も随所で見られます。各節は独立して読めるようになっているので、まずは興味のあるところから読んでみるとよいでしょう。
【著者プロフィール】
渡辺 明照(わたなべ みょうしょう)
昭和23年9月11日生まれ
大正大学大学院文学研究科宗教学(西洋哲学)専攻博士課程単位取得満期退学
大正大学講師・東洋大学講師
最勝寺住職
著書
『哲学と倫理の間』(共著、北樹出版、昭和56年)
『近代日本の思想と仏教』(共著、東京書籍、昭和57年)
『知ることと悟ること』(共著、勁草書房、昭和58年)
『宗教の現象学』(共著、東方出版、昭和59年)
『東と西 永遠の道』(共著、北樹出版、昭和60年)
『比較思想の世界』(共著、北樹出版、昭和62年)
『概説 西洋哲学史』(共著、ミネルヴァ書房、平成1年)
『悪を哲学する』(共著、北樹出版、平成15年)
『生死のなかに仏あり』(北樹出版、平成16年)
『知のエクスプロージョン』(共編著、北樹出版、平成21年)
『「いのち」の流れ』(共著、北樹出版、平成21年)
論文多数
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