朱色の朝
(著) 今村有成
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ー本文よりー
現代社会は複雑にからんだ組織社会である。一人の青年は、まず、どこかの職場に勤務している。彼を政党の一員としよう。彼が家庭を持つことは、一人の女との新たな組織に自分を売ることである。
三重の鎖に縛られる。組織はそれぞれ自己目的を完遂するために、青年を自分の方へ向けさせようとして拮抗する。
その目に見えない力に動かされて登場人物達は、それぞれ自分のみが正しいと錯覚し、行動する。
当然、火花が散る。老いたる者達は自分等が築いてきた物、つまり常識が唯一の価値と信じ、若者は自分等がきり開くであろう前途、つまり革命が唯一の価値だと信じる。
著者プロフィールーーーーー
今村 有成(いまむら・くにしげ)
昭和16年1月6日佐賀県鳥栖市に生まる
昭和34年佐賀県鳥栖高校卒業
昭和39年 九州大学林学科卒業
昭和39年より熊本県庁
現在『詩と真実』『いもご』同人
昭和49年小説『焔の山脈』五月書房より出版
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