私の院長「定年制」宣言:医学部では教えてくれない開業医の生き方
(著) 高椋正俊
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[商品について]
―診療所を第三者へ継承するという選択―
定年がなく、多くは生涯現役として自らの「城」を守りつづける開業医。しかし年齢とともに気力や体力が落ちていく中で、一国一城の主として現役を続けていくのは容易ではなく、また子どもに医院を継承させようとしても必ずしもうまくいくとは限らない――。
本書は、医師の引き際を考え続け、病を患ったことを機に、若い医師に自らの城である医院を継承させるという選択をした著者が、その決断こに至るまでの一開業医の歩みと、開業医の経験を通じて日本の医療界について考えてきたことを綴った作品です。
様々な場面で医療崩壊が叫ばれる今、あらためて地域医療の核となる診療所に目を向ける上で、格好の一書となっています。
[目次]
バトン・タッチの会――序にかえて
1章 がんになってわかったこと
■最後の晩餐
■「マリリンでした」
■インフォームド・コンセント
■CHOP療法
■「先生、頭、頭」
■病気になってみえたこと
■計画を前倒しに
2章 六三歳の再出発
■興味深い噂話
■定年がない職業
■意中の人
■バトンを託して
■行く先探し
■勤務医になって
■内視鏡
■一つの選択肢に
3章 いつかは〝自分の城〟を
■父のホテル経営
■田舎の学校
■学費援助の申し出
■確執と和解
■「兵隊」の仕事
■目の回るような日々
■連れ合いのこと
4章 てんやわんやの診療所経営
■「大きく回せば」
■元同僚の言葉
■保健所の監査
■病室での花札
5章 お金の苦労もありました
■「何も知らない経営者」
■子どもを連れて職安に
■消化管検査の試行錯誤
■「石には興味が……」
■新規開業の「狭き門」
■二〇〇万円返還の第一号に
6章 医には算術も必要です――医療経済の話
■聞き慣れない「損税」
■こんな内外価格差も
■医療費は公共料金なのに
■初めての原稿料
7章 まじめな医師が報われる制度を
■振替休日もとれない現実
おわりに
[出版社からのコメント]
人の命を預かる医師は、肉体的にも精神的にも過酷で、理想や信念がなければ務まらない職業だろうと思います。現在の日本の医療環境が、そうした医師たちによって支えられているということを知り、地域医療の未来を考えるきっかけとして、多くの方に本書をお読みいただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
高椋 正俊(たかむく・まさとし)
昭和12年生まれ
昭和38年鹿児島大学医学部卒業
共済組合連合会浜の町病院にてインターン
昭和39年九州大学医学部第二外科入局
昭和45年国立別府病院勤務
昭和52年高椋胃腸科外科医院開業
平成13年高椋胃腸科外科医院売却譲渡
その後、東筑病院勤務
現在に至る。
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