思考のフレームワークを鍛えなおす:問題解決のための日本語論証力の磨き方とクリティカルシンキング
(著) 平柳行雄
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―自己の価値観や自説を客観的に検証し、新たな気づきを得るために―
社会に生まれ成長する中で、人はそれぞれの価値観を形成し、自らの視点で世の中を見るようになります。そうした価値観や視点は、私たちが社会生活を営んでいくうえで必要不可欠のものですが、それらはときとして思考を自分の期待に沿った方向に歪める可能性ももっています。本書では、そうした歪みからいったん距離をおき、自説を客観的に眺めるために、大学で「クリティカルシンキング」の講座を担当してきた著者が、自説に批判的な資料や文献を基にして客観的に考える方法について、一般の方々に向けて分かりりやすく解説した作品です。学問研究に限らず、日々の生活やビジネスの場でも、自説を客観視することによって様々な「気づき」を得ることは、これからの社会に必要なスキルとして、今後ますます重要になっていくと予想されます。本書に収められた様々な問題に取り組みながら、「論証力」向上のための学びを始めましょう。
[目次]
まえがき
第1章 クリティカルシンキングとは
第1節 演繹的推論
1.隠れた前提と「問い」
2.つなぎの言葉と「は」・「が」
3.事実表明と意見陳述
4.三段論法と三角ロジック
5.演繹的推論と帰納的推論
6.必要条件と十分条件
7.逆命題・裏命題・対偶命題
8.対偶命題と背理法
9.トゥールミン・モデル
10.「議論」
11.矛盾関係と反対関係
12.ド・モルガンの法則
第2節 論証
1.アブダクション(仮説的推論)
2.条件文の双条件解釈
3.仮説演繹法
第2章 『12人の怒れる男』から学ぶ
第3章 日本語論証文を分析する
1.日本語論証文作成に用いる立論と異論と反論
2.日本語論証文作成に用いるパラグラフ概念
3.日本語論証文の検証
あとがき
著者略歴
[出版社からのコメント]
多角的な視野で物ごとを眺めることは大事だと誰もが知っていても、いざそれを実践するのは非常に難しいことです。本書では、クリティカルシンキングという手法を通じて、論理的に自説を客観視し、新たな視点で自説に光を当てたり、自説の対象となる事象を異なる角度から眺める力を養うことができます。学生・社会人を問わず、ぜひ多くの方に手に取っていただければ嬉しく思います。
【著者略歴】
平柳 行雄(ひらやなぎ ゆきお)
関西学院大学商学部卒業 ミシガン州立大学 TESOL(英語教授法)修士課程修了。関西学院高等部教諭、六甲学院中学校・高等学校非常勤講師、関西学院大学社会学部非常勤講師、大阪女学院短期大学特任講師・非常勤講師、大阪人間科学大学教授・特任教授を経て、現在、関西学院大学国際学部と大阪女学院短期大学英語科で非常勤講師を務める。
「日本人大学生の論証文における無標性の検証」、「日本人大学生の書いた論証文の熟達度と論理性は相関するか」、「クリティカルシンキングという授業受講が批判力と論証文作成力に及ぼす効果」、「批判指導は論証文作成力向上に資するか」、「異文化を読み解くための批判的思考」、「どのグループの論証文作成力が命題論理・リフレクションシート作成・批判という3つの指導に関する評価と相関があるか」等、論文多数。『論理力を養うためのパラグラフ・ライティング』、『改訂 日本語論証文作成力を向上させるためのクリティカルシンキング』等の著作がある。
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