ニッポニア・ニッポンⅡ:朱鷺の羽色変化と食性
(著) 後藤袈裟登
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―同じ過ちを繰り返すことは、もはや喜劇でしかない―
開発による生息環境の変化や、その美しい体毛のために狩猟の対象とされたこと等によって、日本では野生のトキは一度絶滅した。
しかし今、人工飼育から野生復帰という一大プロジェクトに携わった関係者の熱意によって、トキは蘇ろうとしている。
本書は、長くトキの研究・保護に関わってきた著者が、前著『ニッポニア・ニッポン』に続き、トキについて認識し更なる理解を深めるために、トキの羽毛と食性に関する研究の成果を3部に分けて解説した作品である。
野生復帰のプロジェクトが成功しても、トキが生きていく環境がなければ悲劇は繰り返されるだろう。本書の願いは、一人でも多くの方がトキの生態を理解し環境への配慮を持つと共に、激変する地球環境への意識を高めていただくことにある。
「目次]
発刊によせて
はじめに
1部 トキの羽色変化および羽毛のしくみ
1.序論 トキについて
2.羽毛の概要
3.羽毛のしくみと働き
4.トキの羽毛変化
5.考察
2部 鳥類の食性について
1.序論
2.植物性食餌
3.動物性食餌
4.動植物性食餌(混食・雑食)
5.鳥類の採食法
6.食性と体形の関係
7.特定の物を食餌とする鳥類
8.食物獲得と社会生活の相関
9.鳥の渡りと食性の関連
10.考察
3部 トキの食性と保護
1.概要
2.トキの食餌
3.まとめ
おわりに
追記
著者略歴
[出版社からのコメント]
地球の歴史の中で、生命は繁栄と絶滅を繰り返しながら存在してきました。確かにそれは自然の摂理ではありますが、一方でどの生命体も種の保存という本能を持っていることもまた事実です。その意味で、地球環境の変化が私たち人間にとっても望ましくないとすれば、多様な生命が複雑精緻に共存する環境を維持していくことは、人間という種の保存にもつながるのではないかと思えます。私たちの周囲に暮らす様々な命は、環境変化に対する最も鋭敏なバロメーターであることを理解し、そこから得られる知見を自らの問題として考える、本書を通じてそうした意識が醸成されることを切に願います。
[著者プロフィール]
後藤 袈裟登(ごとう・けさと)
1937年、長野県諏訪市に生まれる。
1952年、航空専門学校修業。以降は旧(株)JASの航空機整備一筋。
1997年、45年間の勤務の後、定年を迎える。その後、JASのサポート、JALグループ、JAL AIRTECHの嘱託として勤める。
航空機用プロペラおよびエンジン工場検査員資格をはじめ、10以上の資格・免状を持つ。横浜市在住。主な著書に『ニッポニア・ニッポン朱鷺の保護と生息の変遷』がある。
所属団体:日本野鳥の会会員
(財)日本鳥類保護連盟会員……中国トキ保護観察団、第1回から第15回まで毎年(11年間)参加
(財)日本剣道連盟会員……剣道5段
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