ありし日のうた
(著) 片山みさと
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「わたしはあの日昼寝から目覚めると、教会の鐘の音に急かされながら松が枝の桟橋に駆けていった。稲佐山を背景に何隻かの小舟が動いているだけの、額に入ったように切り取られた黄金色の港を眺め、『わたしは東京にいかないわ。ずっとこの街にいるわ』と叫んだのだった。」(本文より)
健二との失恋を秘めて帽子制作のために上京する「佳織」、佳織の無二の親友である従姉・「理佐」、理佐の幼なじみである佳織の兄・「喬」、亡くした娘ナナの面影を佳織に求める「白垣」——長崎半島と東京を舞台に、多彩で複雑な人間関係と池にまつわる不思議な伝説が、物語を予想外の展開へと導く……若者特有の不安定な心情とさまざまな愛のかたちを描いた傑作小説!
【著者プロフィール】
片山 みさと(かたやま・みさと)
本名、小河原範夫(おがわらのりお)。
北九州市(小倉)生まれ。
九州大学経済学部卒。
文芸雑誌「ガランス」(福岡市)編集・発行人
2018 第十二回全国同人雑誌最優秀賞「中上紀賞」受賞
住所
〒800−0244 福岡県 北九州市小倉南区 上貫 3−8−17 小河原方
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