[詩集]このささやかな言葉という身体のなかで
(著) 宮崎亨
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―詩の体温、それは滴るような血の言葉―
ひとさしゆびの型紙で造られた拳銃で/うしろからひとを撃ってはならない/そんな不文律があった時代も/ほんもののひとさしゆびは/うしろからひとを撃ちつづけていたのだ/密造酒(どぶろく)を仕込んでいた隣の家に/税務署が踏み込んで罰金をとられた/あれは邑(むら)で一軒の酒屋がサシたからだ/サシた?/子供の頭で大人の囁きを文字に換えた/指したのか、刺したのか、差したのか(「ひとさしゆび」より)
心の中にある苦虫、記憶の中にある光と影は詩人に言葉をあたえ、言葉は文学となって血肉へと回帰するーー独創的な感性で新たな詩の世界を希求する生の魂の詩集。
[目次]
Ⅰ
蜘蛛(くも)
蜥蜴(とかげ)
蘭鋳(らんちゅう)
蚯蚓(みみず)
蠍(さそり)
百足(むかで)
守宮(やもり)
蝮(まむし)
Ⅱ
こゆび
くすりゆび
なかゆび
ひとさしゆび
おやゆび
Ⅲ
御正体山(みしょうたいざん)
焚香(ふんこう)
蝶
不審工作船
新聞小説
挽夏
十一月のトマト
クリスマスプレゼント
えがたり
Ⅳ
房州
常州
野州
上州
信州
甲州
相州
あとがき
著者略歴
[担当からのコメント]
詩の作品を読んでいると、自分でも気づかなかった心のなかの「何か」を言葉が見つめているような、はっとするような不思議な感覚をおぼえることがあります。そんな言葉と出会える本書、ぜひじっくりとお楽しみいただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
宮崎 亨(みやざき・とおる)
1943年 長野県生まれ
日本現代詩人会、日本詩人クラブ、日本文藝家協会所属
詩誌「花」同人、町田詩話会同人
著書 詩集『流刑』『卑弥子』『空よりも高い空の鳥』『火の花嫁』
現住所 東京都町田市 在住
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