「日本漢字」の罠──真の漢字文化は中国語にあり
(著) 松尾善弘
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【2021年に発刊された『日中漢字文化新論』の改訂版です】
ー「漢字」は魔の文字であるー
日本人にとって欠かすことのできない情報伝達手段の一つである「漢字」。しかし、長年漢字の研究をライフ・ワークとしてきた著者は、漢字とは奥義を極めがたい、いわば「魔物」であり、日本における漢字文化の推進・発展には、まず中国語から学ぶことが不可欠であると主張する。本書は、古代中国で生まれ、古代中国語を表記した「漢字」と、日本に伝来して日本語式にアレンジされた「日本漢字語」の違いに迫った一冊。日中における漢字の歴史、カタカナ語と化した言葉のルーツ、漢詩の真の理解への手引きなど、漢字にまつわるさまざまなテーマが知的好奇心をくすぐる内容となっている。
[目次]
まえがき
一章 漢字新論
コラム(1)何気なく入学した漢文学科で漢文に出会う
二章 漢語新論
コラム(2)影響を受けた恩師について
三章 漢文新論
コラム(3)〔A〕新中国の言語政策〔B〕日本漢字文化の虚飾性
四章 漢詩新論
おわりに
著者略歴
[担当からのコメント]
本書を読むと、漢字の世界は私たち日本人が考えるよりももっと奥深いものだと痛感します。その一方で「あんぽんたん」や「チンプンカンプン」といった言葉が、実は中国語の発音が日本語化したものであるという意外な発見も楽しい一書です。書道や詩吟など、普段から漢字文化に触れる機会の多い人はもちろん、漢字の秘密を楽しく学びたい方にもおすすめの作品です。
[著者略歴]
松尾 善弘(まつお・よしひろ)
Yoshihiro Matsuo
1940年 台湾・台北市にて出生
1946年 鹿児島県出水に引揚げ、小・中・高時代を過ごす
1959年 東京教育大学文学部漢文学科入学
1963年 同大学院中国古典科修士課程入学
1967年 同博士課程入学
1971年 日中学院講師・法政大学・駒沢大学、早稲田大学の中国語非常勤講師
1975年 鹿児島大学教育学部助教授
1981年 同大学教授
1997年 山口大学人文学部教授に転任
2003年 同学部を定年退官
《著書》
『唐詩の解釈と鑑賞&平灰式と対句法』1993.4 近代文芸社
『批孔論の系譜』1994.2 白帝社
『漢字・漢語・漢文論』2002.12 白帝社
『尊孔論と批孔論』2002.12 白帝社
『唐詩読解法』2002.12 白帝社
『漢語入門(発音編・文法編)』合訂本 2004.6 白帝社
『唐詩鑑賞法』2009.12 南日本新聞開発センター
『西郷隆盛漢詩全集』2010.12 斯文堂
『日中漢字・漢語・漢詩・漢文論』2011.12 斯文堂
『増補版大久保利通(甲東)漢詩集』監修 2012.12 斯文堂
『大警視川路利良漢詩集』監修 2016.11 斯文堂
『増補改訂版西郷隆盛漢詩全集』2018.3 斯文堂
『漢詩で繙く西郷像』監修 2021.6.1 斯文堂
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