人生投影式〈スクリーン・オブ・ライフ〉
(著) 未苑真哉
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[商品について]
―兄さんの見ていた世界を、僕は、受け止めきれるだろうか。―
好きなものを何でも立体映像で呼び出せる端末【パノラマジック】が普及した日本では、故人にとっての人生の大切な瞬間を映像としてスクリーンに映し出し、遺族をはじめ遺された者たちに鑑賞してもらう「人生投影式」というサービスが密かに広まり始めていた。過度な期待を寄せる母親に抵抗したい気持ちから、かつて「軽蔑」の花言葉がある黄色いカーネーションを贈った娘。名前すら知らなかった隣人から、なぜか農園の経営権を譲られた梨農家の女性。嫌な顔ひとつせず、父親の介護を引き受けてくれた妻を亡くした夫……。故人の中に眠る記憶を目の当たりにした彼らは、それまで知る由もなかったその想いに初めて触れる。しかし、そんな「人生投影式」を提供する「スクリーン・オブ・ライフ」という組織には、ある兄弟の知られざるドラマが隠されているのだった。ーー新時代を担う作家の発掘へ向けて開催されたコンテスト「文学レボリューション」の第一回大賞受賞作を収めた連作短編小説集!
[目次]
まえがき
1 母の日には、黄色を
2 最後のFIRST SONG
3 名も知らぬ隣人のお葬式
4 ささくれたエンドロール
5 アロマじかけの救世主
6 風のない朝に、妻は
7 凍るような温もりの記憶
8 良い種 悪い種
9 流れよ黒き涙、と博士は言った
10 スクリーンは黄金色
あとがき
出版にあたって
●参考文献
●参考記事
著者略歴
[担当からのコメント]
「故人の中に眠る記憶を映像化する」というSFの要素も含まれた本作ですが、その隅々にはパワハラや人手不足、高齢者の増加など、現代に潜む様々な課題が無数に散りばめられています。人は身近な人の死を前にしたとき何を思うのか。そして課題や悩みが絶えない現代を私たちはどう生きていくのか。本作を通して、それらの問いにじっくりと向き合ってみて頂ければ嬉しく思います。
[著者略歴]
未苑真哉(みその・まや)
出身:愛知県出身
職歴:大学受験予備校に勤務、チューター職を経て現在に至る。
資格:アロマブレンドデザイナー
受賞歴:
2023年第1回文学レボリューションにて大賞受賞。
2024年第7回文芸社文庫NEO小説大賞にて優秀賞受賞、書籍化予定。
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